7月8日(金)
玉野市の築港商店街再活性化のために、若手クリエーター移住計画を推進する「うのずくり実行委員会」が立ち上がり、その支援組織としてNPO法人を設立することとしていることは既にこのBLOGで紹介した。
先日の説明会で、その設立総会を8月4日(木)18:00から開催することも公報し、いよいよ設立に向けた準備を本格化させる必要がある。そこで、その準備会を先週金曜日に開催した。
準備会の名称は、MMK設立準備会。
NPO法人の名称は、「みなと・まちづくり機構たまの」と決めている。みなとのM、まちづくりのM、機構のK。「MMK」とは、これら三つの頭文字からとったものである。
又、「うのずくり実行委員会の実行委員長・森美樹さんもMMKだよね。」ということから、MMKは不動の略称(ニックネーム)に決定した。
英語名を“Port & Community Development Organization TAMANO”としており、PCDOTという略称も考えたが、やはりMMKの方が語呂もいいし、準備会参加メンバーの中では圧倒的な人気だった。
昔、MMKは“もててもてて困る”の省略語として使っていたことがあるが、今でもその意味はあるのかどうか・・・?
さて、話を戻すが、この会議に設立総会に提出する最も大事な二つの資料、「定款」と「設立趣旨書」の原案を提出した。若干字句の修正の指摘があったが、ほぼ原案通り採択された。以下、設立趣旨書の原案を紹介する。
これを読めば、どのような経緯でNPO法人を立ち上げるに至ったのか、どのような目的や趣旨を持っているのかがよく分かる。地区の方やまちづくりに興味をお持ちの方には、是非このNPO法人に入会して頂きたいものである。
「設立趣旨書」
1 趣 旨
(1) 目 的・・・この法人は、不特定多数の個人又は団体に対して、宇野港域を中心とした地域に関係する人々及び地域に新たに移住してくる様々な世代・ジャンルの人々が連携し、魅力ある中心市街地の形成及び活力向上を図る活動を行い、地域の人口増、店舗増、交流増を実現し、もって玉野市の発展という公益の増進に寄与することを目的としています。
(2) 趣 旨・・・近隣型×駅前型商店街の典型である築港商店街では、車社会への対応の遅れ、既存商店の大規模ショッピングモールへのシフト、少子高齢化による商店街の空洞化などにより、商店街自身の購買力が低下しました。つまり、商店街の必要性が低下、衰退するに至りました。商店街では、その解決のためにこれまで商店街の再活性化を目的として大小幾つかの事業が計画されましたが、根本的な解決策を見出すことはできませんでした。
私たちは、上記のような現状に鑑み、築港商店街を再度活力ある商店街として振興するのであれば、先ずは築港商店街そのものの購買人口の増加が必須と考えました。この購買人口となる定住移住者を全国或いは全世界から築港商店街に向かわせることが対策の最重要課題と位置づけ、「若手クリエイティブカップル移住プロジェクト」を推進することとしました。
今まさに玉野市及び商工会議所などが中心となった「中心市街地活性化協議会」において、宇野築港地区における商店街再活性化が叫ばれる中、このプロジェクトの成功が玉野市の将来を左右するといっても過言ではないと考えています。
そういった大きな意義と使命を担って、このプロジェクトを強力に支援・推進する組織として、新たな非営利活動法人を立ち上げようとするものであります。
(3) 法人設立の理由・・・今回計画は、土木工事などの再開発主体でなく、コミュニティ作りを中心とした再活性主体で考えています。そのため、大規模な予算、工事、法令改正は必要としません。「コンセプトと人」をインセンティブに移住者を呼び、育て、人が街を作り、育てるという、成長サイクルを街の中に抱えるための比較的地味で遅効性のシンプルなプロジェクトです。そのために、成果を少し長い目で見ていただくように、地元の理解と協力が欠かせません。行政、協力願いたい地元企業などに理解をいただいた後に、地元の皆様に説明会を開き、ゆっくりと浸透し、地域に根差した活動にして行きます。
この計画を実行に移すグループは、『うのずくり』に関わる人達が集まり、移住者も含め、町のみんなで話し、無理のないようにゆっくりでも着実に実行する実働部隊である「うのずくり実行委員会」(森美樹実行委員長)です。そして、この「うのずくり実行委員会」を支援する組織として、NPO法人を立ち上げることとしました。その理由の主なものは、次の通りです。
①『うのずくり』という地域の大きな目標を達成するには、財政的支援が欠かせないこと。
②会員や賛同者などとの入出金用銀行口座開設のために、法人格が必要であること。
③会計書類の作成や書類の閲覧等、特定非営利活動促進法に定められた法人運営や情報公開を行うことによって、組織を固め社会的信用を得ることができること。
④法人の趣旨に賛同していただける、個人や団体の協力を得て健全な発展を期すためには、営利を目的とする会社法人よりも特定非営利活動法人として活動する方が有効であると考えたこと。
2 申請に至るまでの経過
(1) 「アート部会」の立上げ
平成22年4月、中心市街地活性化協議会の中に、アートを活かした美しいまちづくりのあり方とその実現の方策について議論し、それらを具体的な活動に結びつけることによって、玉野市中心市街地における活性化と賑わい創出に資する活動を行うことを目的とした「アート部会」が発足しました。アート部会では、宇野・築港地区でのアート活動やアート作品の常設展示、情報の共有化、交流の促進などを積極的に行い、以下に示すような中心市街地における活性化と賑わい創出を図ることを活動目標としました。
① 宇野と直島とが一体となったアートゾーンを形成し、直島を訪れた観光客の多くが、宇野港界隈も散策するような魅力的なアートタウンを形成すること。
② 地域住民、観光客、アーティストが相互に交流し、新たなコミュニティの輪を拡げるとともに、マネーフローも生まれるようなアートを機軸とした賑わいゾーンを構築すること。
(2) 商店街再活性化策の提案
平成23年1月開催の第9回アート部会において、森岡部会員から提案された商店街再生計画「宇野商店街の将来的な再活性を目指す為のリノベーション実行スタッフ確保計画素案」が満場一致で採択されました。本計画の骨子は、
① 商店街活性化のために、先ずは商店街への住人増加に特化。
② 若手(20代後半乃至30代前半)クリエイティブカップル移住計画を発動。
③ 移住計画の「よそ者受入れ」を運営する専属スタッフを設置。
するというものでした。
(3) 「うのずくり実行委員会」及び活動拠点の設置
平成23年4月、上記提案を受けて、広島出身のガラス作家・森美樹さんを実行委員長とする「うのずくり実行委員会」が立ち上がりました。同年6月には、築港商店街に実行委員会の活動拠点兼店舗となる第1号店に実行委員長・森美樹さんが入居、本計画実現のために本格的な活動を開始することとなりました。
(4)NPO法人設立総会の開催
平成23年8月、まちづくりの実働部隊である「うのずくり実行委員会」を支援し、築港商店街を中心とした中心市街地の活性化を目的とする「特定非営利活動法人 みなと・まちづくり機構たまの」を発足すべく設立総会を開催、提出された定款その他必要書類を満場一致で可決承認、正式な申請手続きに入るに至りました。
平成23年8月4日
特定非営利活動法人 みなと・まちづくり機構たまの
設立(代表)者 住所 玉野市○○ △△番地
氏名 ○○○○ ㊞
8月4日の設立総会に向けて、10人以上の正会員、3人以上10人以下の理事、1人以上の監事を選任する必要があり、その特定を急ぐ必要がある。又、23&24年度の事業計画、事業予算書をこれから作らねばならない。
以上、MMK設立準備会の現状報告である。
2011年7月11日月曜日
2011年7月9日土曜日
サッキータイム ~うのずくり支援NPO法人の地元説明会~
6月30日(木)
6月12日に開催された「うのずくり実行委員会」立上げに関する地元説明会でも予告されていた、『うのずくり』を支援するための新たなNPO法人設立に関する地元説明会が、30日に同じく玉野市文化会館バウハウスで行われた。
商店街から若者が去り灯が消えてしまった商店街を再活性化すべく、全国から若手クリエーターを呼込み商店街の購買力を取り戻すための実働部隊が『うのずくり』であるということが、12日に縷々説明された。
しかし、うのずくり実行委員会の活動を若い人に専従してもらうには、それなりの給与もいるし資金も必要である。そういった財政的支援組織としてのNPO法人立上げを、地元の方々に理解納得してもらうために、説明会が開催された。
今回も、うのずくり実行委員会の森実行委員長に説明してもらったので、以下その内容を紹介する。前半は、今回初めて来られる方のために前回のおさらいの説明だったので省略し、後半のNPO法人に関わる部分だけとする。
以下、森実行委員長説明の引用である。
そして、これから立ち上げますNPO法人と『うのずくり』の関係図を見ていただこうと思います。
実働部隊である「うのずくり実行委員会」が真ん中にあるのですが、その上に『うのずくり』を支える支援組織としてNPO法人があります。
NPO法人は県に認められた公的な団体として、国や市、商工会等の行政の協力(助成等)を頂くことができます。
又、このNPO法人にこれから入っていただきます、地元商店会や個人の方々の協力、寄付をいただきながら、「うのずくり実行委員会」を支えていただきます。
私がこのNPO法人と「うのずくり実行委員会」のつなぎ役としても動いていきます。 「うのずくり実行委員会」では商店街や地元住民、移住者と日常的交流をしながら、クリエイティブカップル移住プロジェクト+Low DAYプロジェクトを進めてゆき、観光客や移住希望者に対して情報を発信していきます。
ではここで、「うのずくり実行委員会」の支援組織としてのNPO法人のことについてご説明します。
購買力の低下、若い世代の人口減少、斜陽化した商店街では、勢いがなくなっています。
その典型である宇野築港商店街を、若者にもセレブな貴婦人にも魅力的と思える街にしませんか?
「特定非営利活動法人 みなと・まちづくり機構たまの」(以下「MMK」と言う)は、おしゃれで面白いまちづくりを目指して、若手クリエイティブカップルを全世界から宇野築港商店街を中心としたエリアに移住させる計画(うのずくり)をサポートするためのNPO法人です。
この計画を実行に移すグループは、広島からこの商店街に移住してきた私・森美樹を実行委員長とする「うのずくり実行委員会」です。MMKは、このうのずくり実行委員会を支援するNPO法人となっていただきます。
MMKは、地域の人々や新たに移住してくる様々な世代・ジャンルの人々が連携して、魅力ある中心市街地の形成及び活力向上を図ることを目的として活動します。
MMKは、社会教育の推進、まちづくりの推進、学術、文化、芸術又はスポーツの振興、環境の保全、子どもの健全育成、経済活動の活性化などの活動を行うことによって、中心市街地が勢いを増すような街になることを目指します。 では先ず、そもそもNPO法人とは何かからご説明します。
「法人」=「法が定める人」 人の集まりや一定の財産を法律上個人と同じように権利・義務の主体として扱うことです。人の集まりとしては「株式会社」、「社団法人」など、財産の集まりとしては「財団法人」などがあります。 「NPO法人」は、 人の集まりである社団法人の一種としてNPO法に基づいて都道府県又は内閣府の認証を受けて設立された法人のことです。正式には「特定非営利活動促進法」という名の法律で、NPO法人も正式には「特定非営利活動法人」といいいます。 「特定非営利活動」とは、
(1)法が定める17種類の分野に当てはまるもので、
(2)不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与する ことを目的とする活動のことです。
簡単にいうと、広く社会一般の利益のための活動である。「特定」という文字が入っているのは、活動の分野が17種類に限られているからなのです。
NPO=Non-profit Organization(非営利組織) つまり、営利を目的としない組織をNPOといいます。 NPOの組織例としては、社団法人、財団法人、医療法人、学校法人、社会福祉法人、宗教法人、協同組合などがあります。
ボランティア=ボランティア活動をする人 自発性、無償性、利他性、先駆性に基づく、例えば、被災地支援などの社会貢献/奉仕活動を行う人のことです。
NPO≠ボランティア NPOでボランティア活動をする人は多いのですが、ボランティアそのものではありません。NPO活動は営利を目的としない活動のことです。でも、利益を上げることを否定するものではありません。
非営利とは、利益を再分配しないこと。営利とは、利益を株主や役員などに再配分することをいいます。
次に、NPO法人格を取得する理由ですが、次のようなものが挙げられます。
・『うのずくり』という地域の大きな目標を達成するためには、財政的支援が欠かせないこと。
・会員や賛同者などとの入出金用銀行口座開設のために、法人格が必要であること。
・会計書類の作成や書類の閲覧等、特定非営利活動促進法に定められた法人運営や情報公開を行うことによって、組織を固め社会的信用を得ることができること。
・法人の趣旨に賛同していただける、個人や団体の協力を得て健全な発展を期すためには、営利を目的とする会社法人よりも特定非営利活動法人として活動する方が有効であると考えたこと。
・NPO法人格取得は、会社法人格の取得に比べ長期間が必要となるが、設立に掛かる費用が軽微で済むこと。
次に、設立するNPO法人の目的です。
・不特定多数の個人又は団体に対して、玉野市の発展という公益の増進に寄与すること。
これは、受益者である不特定多数の個人又は団体に対して、玉野市の発展という公益の増進に寄与することが、この法人の究極の目的であることを示しています。
・宇野港域を中心とした地域に関係する人々及び地域に新たに移住してくる様々な世代・ジャンルの人々が連携すること。
これは、うのずくりに関わる人たちが集まり、移住者も含め町の皆で話し合い、無理のないようにゆっくりでも着実に実行する実働部隊である「うのずくり実行委員会」への参加を促し連携を図ることが、この法人の目的達成の手段であることを示しています。
・魅力ある中心市街地の形成及び活力向上を図る活動を行い、地域の人口増、店舗増、交流増を実現すること。
これは、連携した大きな力によって、人口増加(クリエイティブカップル移住プロジェクト)+店舗増加(low DAYプロジェクト)を目的とした活動を行い、交流増加という町の賑わい復活を実現することが、この法人の事業及び活動目的であることを示したものです。
さて、目的を達成するために、どんな事業を行うかということですが、
先ずは、特定非営利活動に係る事業
・若年層クリエイティブカップル移住を促進する事業
・魅力ある中心市街地の形成と活力向上を図る事業 ・中心市街地の人口増を図るための事業
・中心市街地の整備改善及び拠点機能の向上を図る事業
・中心市街地の賑わい創出と活性化を図る事業
・中心市街地において、大衆的な文化、芸能、芸術、工芸、映画、娯楽などを楽しめる場を作るための事業
・その他目的を達成するために必要な事業
営利事業としての、その他の事業も行います。
物品販売業、飲食店業、請負業、駐車場業、周旋業、などを行うこととしています。
会員の種別については、正会員、賛助会員、協力会員の3種があります。
正会員は、この法人の目的に賛同して活動するために入会した団体及び個人のことで、法で言う社員のことです。正会員には、総会での議決権が与えられます。
賛助会員は、この法人の目的実現に賛助するために入会した団体及び個人のことで、実際の活動はできないが、資金的な支援だけはしようと言ってくれる方々です。
協力会員は、この法人の目的に賛同し、この法人が行う事業に協力するために入会した個人のことで、正会員にはなれないが、ボランティア活動などで協力しましょうといってくれる方々です。
加入のために特別な資格は必要ありません。 希望すれば、どなたでも加入することができます。 ただ、定款に定められたこと(法人の決め事)については、組織のルールですので守ってください。 会費は必要ですが、月当たりにすれば1日の小遣い程度で事足りるものです。この位でまちづくりに参加できるのなら、安いものではないでしょうか。 うのずくり実行委員会の活動支援と、活き活きとした「みなと・まちづくり」のために共に頑張りましょう。 新しい仲間との固い絆を結び、大きな目標を達成できる喜びを共に分かち合いましょう。
次に、NPO法人の名称について説明します。
名称は、原則的に自由につけることができます。
「特定非営利活動法人」、「NPO法人」、「NPO」などを名称に入れるかどうかは任意です。でも、特定非営利活動法人以外の者は、名称中に「特定非営利活動法人」又はこれに紛らわしい文字を用いてはならないとされています。
案として、「うのづくり」、「ウノまちづくり」、「まちづくり機構たまの」、「クリックタウン宇野」、「みなと・まちづくり機構たまの」etc.を考えました。
現時点での最終案は、「特定非営利活動法人 みなと・まちづくり機構たまの」としています。
その考え方は、
1.港町宇野を意識し、みなと作り・まち作りを目的にすることを明確化しようと考えました。
2.機構は、機械の構造(メカニズム)を示す用語ですが、各役割が相互に関係し合う組織を意味する言葉でもあります。
3.全体として、玉野のみなと・まちづくりを担う組織として付託を受けた意気込みを示す名称だと考えています。 今後の予定ですが、
8月4日(金)18:00~、設立総会、直ちに認証申請。
12月、(2ヶ月の縦覧期間と+2ヶ月の審査を経て)認証、その後2週間以内に法人登記、晴れてNPO法人の成立です。
最後に
どうか、皆さんも「やろう!」「がんばろう!」と言って下さい。 今迄ご説明した通り、皆さんにとって難しい所はありません。 少しずつの協力をして頂けるだけで、必ず上手く行きます。 過去を活かしましょう。皆で作り上げましょう。皆で考えましょう。 色々教えて下さい。 そうやって、この事業を皆で進めて行きませんか? まさに今、うのずくり実行委員会の活動を皆で支えるべきときではないでしょうか。 うのずくりを支える組織、それが新しく立ち上げようとするNPO法人です。 NPO法人を立ち上げるには、様々な難関をクリアする必要があります。 一つ一つそれらの問題をクリアして、遠からぬ将来に、新しいまちづくりNPO法人を立ち上げましょう。 皆様の絶大なご協力をよろしくお願いします。 ご清聴ありがとうございました!
NPO法人のくだりのPPT資料は、元々サッキーが作ったものだが、森実行委員長の淡々とした説明に聴衆は「なるほど」、「なっとく」といった顔で、真剣に聞いてくれていた。
「若い人がまちづくりのことをここまでしっかり考えているんだ。」ということが、比較的高齢者の多かった聴衆に、びんびん響いたからではないだろうか。
森さん、ガンバレ!
写真は、にこやかに挨拶する森さんと聴衆。最下段は、7月8日に掲載された地元の新聞記事。
6月12日に開催された「うのずくり実行委員会」立上げに関する地元説明会でも予告されていた、『うのずくり』を支援するための新たなNPO法人設立に関する地元説明会が、30日に同じく玉野市文化会館バウハウスで行われた。
商店街から若者が去り灯が消えてしまった商店街を再活性化すべく、全国から若手クリエーターを呼込み商店街の購買力を取り戻すための実働部隊が『うのずくり』であるということが、12日に縷々説明された。
しかし、うのずくり実行委員会の活動を若い人に専従してもらうには、それなりの給与もいるし資金も必要である。そういった財政的支援組織としてのNPO法人立上げを、地元の方々に理解納得してもらうために、説明会が開催された。
今回も、うのずくり実行委員会の森実行委員長に説明してもらったので、以下その内容を紹介する。前半は、今回初めて来られる方のために前回のおさらいの説明だったので省略し、後半のNPO法人に関わる部分だけとする。
以下、森実行委員長説明の引用である。
そして、これから立ち上げますNPO法人と『うのずくり』の関係図を見ていただこうと思います。
実働部隊である「うのずくり実行委員会」が真ん中にあるのですが、その上に『うのずくり』を支える支援組織としてNPO法人があります。
NPO法人は県に認められた公的な団体として、国や市、商工会等の行政の協力(助成等)を頂くことができます。
又、このNPO法人にこれから入っていただきます、地元商店会や個人の方々の協力、寄付をいただきながら、「うのずくり実行委員会」を支えていただきます。
私がこのNPO法人と「うのずくり実行委員会」のつなぎ役としても動いていきます。 「うのずくり実行委員会」では商店街や地元住民、移住者と日常的交流をしながら、クリエイティブカップル移住プロジェクト+Low DAYプロジェクトを進めてゆき、観光客や移住希望者に対して情報を発信していきます。
ではここで、「うのずくり実行委員会」の支援組織としてのNPO法人のことについてご説明します。
購買力の低下、若い世代の人口減少、斜陽化した商店街では、勢いがなくなっています。
その典型である宇野築港商店街を、若者にもセレブな貴婦人にも魅力的と思える街にしませんか?
「特定非営利活動法人 みなと・まちづくり機構たまの」(以下「MMK」と言う)は、おしゃれで面白いまちづくりを目指して、若手クリエイティブカップルを全世界から宇野築港商店街を中心としたエリアに移住させる計画(うのずくり)をサポートするためのNPO法人です。
この計画を実行に移すグループは、広島からこの商店街に移住してきた私・森美樹を実行委員長とする「うのずくり実行委員会」です。MMKは、このうのずくり実行委員会を支援するNPO法人となっていただきます。
MMKは、地域の人々や新たに移住してくる様々な世代・ジャンルの人々が連携して、魅力ある中心市街地の形成及び活力向上を図ることを目的として活動します。
MMKは、社会教育の推進、まちづくりの推進、学術、文化、芸術又はスポーツの振興、環境の保全、子どもの健全育成、経済活動の活性化などの活動を行うことによって、中心市街地が勢いを増すような街になることを目指します。 では先ず、そもそもNPO法人とは何かからご説明します。
「法人」=「法が定める人」 人の集まりや一定の財産を法律上個人と同じように権利・義務の主体として扱うことです。人の集まりとしては「株式会社」、「社団法人」など、財産の集まりとしては「財団法人」などがあります。 「NPO法人」は、 人の集まりである社団法人の一種としてNPO法に基づいて都道府県又は内閣府の認証を受けて設立された法人のことです。正式には「特定非営利活動促進法」という名の法律で、NPO法人も正式には「特定非営利活動法人」といいいます。 「特定非営利活動」とは、
(1)法が定める17種類の分野に当てはまるもので、
(2)不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与する ことを目的とする活動のことです。
簡単にいうと、広く社会一般の利益のための活動である。「特定」という文字が入っているのは、活動の分野が17種類に限られているからなのです。
NPO=Non-profit Organization(非営利組織) つまり、営利を目的としない組織をNPOといいます。 NPOの組織例としては、社団法人、財団法人、医療法人、学校法人、社会福祉法人、宗教法人、協同組合などがあります。
ボランティア=ボランティア活動をする人 自発性、無償性、利他性、先駆性に基づく、例えば、被災地支援などの社会貢献/奉仕活動を行う人のことです。
NPO≠ボランティア NPOでボランティア活動をする人は多いのですが、ボランティアそのものではありません。NPO活動は営利を目的としない活動のことです。でも、利益を上げることを否定するものではありません。
非営利とは、利益を再分配しないこと。営利とは、利益を株主や役員などに再配分することをいいます。
次に、NPO法人格を取得する理由ですが、次のようなものが挙げられます。
・『うのずくり』という地域の大きな目標を達成するためには、財政的支援が欠かせないこと。
・会員や賛同者などとの入出金用銀行口座開設のために、法人格が必要であること。
・会計書類の作成や書類の閲覧等、特定非営利活動促進法に定められた法人運営や情報公開を行うことによって、組織を固め社会的信用を得ることができること。
・法人の趣旨に賛同していただける、個人や団体の協力を得て健全な発展を期すためには、営利を目的とする会社法人よりも特定非営利活動法人として活動する方が有効であると考えたこと。
・NPO法人格取得は、会社法人格の取得に比べ長期間が必要となるが、設立に掛かる費用が軽微で済むこと。
次に、設立するNPO法人の目的です。
・不特定多数の個人又は団体に対して、玉野市の発展という公益の増進に寄与すること。
これは、受益者である不特定多数の個人又は団体に対して、玉野市の発展という公益の増進に寄与することが、この法人の究極の目的であることを示しています。
・宇野港域を中心とした地域に関係する人々及び地域に新たに移住してくる様々な世代・ジャンルの人々が連携すること。
これは、うのずくりに関わる人たちが集まり、移住者も含め町の皆で話し合い、無理のないようにゆっくりでも着実に実行する実働部隊である「うのずくり実行委員会」への参加を促し連携を図ることが、この法人の目的達成の手段であることを示しています。
・魅力ある中心市街地の形成及び活力向上を図る活動を行い、地域の人口増、店舗増、交流増を実現すること。
これは、連携した大きな力によって、人口増加(クリエイティブカップル移住プロジェクト)+店舗増加(low DAYプロジェクト)を目的とした活動を行い、交流増加という町の賑わい復活を実現することが、この法人の事業及び活動目的であることを示したものです。
さて、目的を達成するために、どんな事業を行うかということですが、
先ずは、特定非営利活動に係る事業
・若年層クリエイティブカップル移住を促進する事業
・魅力ある中心市街地の形成と活力向上を図る事業 ・中心市街地の人口増を図るための事業
・中心市街地の整備改善及び拠点機能の向上を図る事業
・中心市街地の賑わい創出と活性化を図る事業
・中心市街地において、大衆的な文化、芸能、芸術、工芸、映画、娯楽などを楽しめる場を作るための事業
・その他目的を達成するために必要な事業
営利事業としての、その他の事業も行います。
物品販売業、飲食店業、請負業、駐車場業、周旋業、などを行うこととしています。
会員の種別については、正会員、賛助会員、協力会員の3種があります。
正会員は、この法人の目的に賛同して活動するために入会した団体及び個人のことで、法で言う社員のことです。正会員には、総会での議決権が与えられます。
賛助会員は、この法人の目的実現に賛助するために入会した団体及び個人のことで、実際の活動はできないが、資金的な支援だけはしようと言ってくれる方々です。
協力会員は、この法人の目的に賛同し、この法人が行う事業に協力するために入会した個人のことで、正会員にはなれないが、ボランティア活動などで協力しましょうといってくれる方々です。
加入のために特別な資格は必要ありません。 希望すれば、どなたでも加入することができます。 ただ、定款に定められたこと(法人の決め事)については、組織のルールですので守ってください。 会費は必要ですが、月当たりにすれば1日の小遣い程度で事足りるものです。この位でまちづくりに参加できるのなら、安いものではないでしょうか。 うのずくり実行委員会の活動支援と、活き活きとした「みなと・まちづくり」のために共に頑張りましょう。 新しい仲間との固い絆を結び、大きな目標を達成できる喜びを共に分かち合いましょう。
次に、NPO法人の名称について説明します。
名称は、原則的に自由につけることができます。
「特定非営利活動法人」、「NPO法人」、「NPO」などを名称に入れるかどうかは任意です。でも、特定非営利活動法人以外の者は、名称中に「特定非営利活動法人」又はこれに紛らわしい文字を用いてはならないとされています。
案として、「うのづくり」、「ウノまちづくり」、「まちづくり機構たまの」、「クリックタウン宇野」、「みなと・まちづくり機構たまの」etc.を考えました。
現時点での最終案は、「特定非営利活動法人 みなと・まちづくり機構たまの」としています。
その考え方は、
1.港町宇野を意識し、みなと作り・まち作りを目的にすることを明確化しようと考えました。
2.機構は、機械の構造(メカニズム)を示す用語ですが、各役割が相互に関係し合う組織を意味する言葉でもあります。
3.全体として、玉野のみなと・まちづくりを担う組織として付託を受けた意気込みを示す名称だと考えています。 今後の予定ですが、
8月4日(金)18:00~、設立総会、直ちに認証申請。
12月、(2ヶ月の縦覧期間と+2ヶ月の審査を経て)認証、その後2週間以内に法人登記、晴れてNPO法人の成立です。
最後に
どうか、皆さんも「やろう!」「がんばろう!」と言って下さい。 今迄ご説明した通り、皆さんにとって難しい所はありません。 少しずつの協力をして頂けるだけで、必ず上手く行きます。 過去を活かしましょう。皆で作り上げましょう。皆で考えましょう。 色々教えて下さい。 そうやって、この事業を皆で進めて行きませんか? まさに今、うのずくり実行委員会の活動を皆で支えるべきときではないでしょうか。 うのずくりを支える組織、それが新しく立ち上げようとするNPO法人です。 NPO法人を立ち上げるには、様々な難関をクリアする必要があります。 一つ一つそれらの問題をクリアして、遠からぬ将来に、新しいまちづくりNPO法人を立ち上げましょう。 皆様の絶大なご協力をよろしくお願いします。 ご清聴ありがとうございました!
NPO法人のくだりのPPT資料は、元々サッキーが作ったものだが、森実行委員長の淡々とした説明に聴衆は「なるほど」、「なっとく」といった顔で、真剣に聞いてくれていた。
「若い人がまちづくりのことをここまでしっかり考えているんだ。」ということが、比較的高齢者の多かった聴衆に、びんびん響いたからではないだろうか。
森さん、ガンバレ!
写真は、にこやかに挨拶する森さんと聴衆。最下段は、7月8日に掲載された地元の新聞記事。
2011年7月6日水曜日
サッキータイム ~うのずくり実行委員会の地元説明会~
6月12日(日)
今年1月、玉野市の中心市街地(宇野駅~宇野港~築港商店会界隈)の再活性化のために、全国から若手クリエーターを宇野港商店街に呼寄せようという提案が出され、その実現を図るために動いてきた。
4月には、実現のための「うのずくり実行委員会」が設立され、実行委員長には駅東創庫でガラス作家として活動している森美樹さんが選任された。又、実行委員会を支援するためのNPO法人も設立しようということで、その準備も同時並行的に進められてきた。
しかし、そのプロジェクトを効果的に実現するためには、地元の協力が絶対的に欠かせない。そこで、6月12日(日)、地元説明会を開催できる運びとなった。昼の部午後2時からと、夜の部午後7時からの2回開催、両方で約40人の参加があった。
今日は、その折、森実行委員長がPPTで説明した内容をそのまま紹介する。
かなり長い文章だが、読んでいただいら大変有難い。
<森実行委員長の説明内容>
これから、「クリエイティブカップル移住プロジェクト」とそれに伴って進めることとしている「ロウディプロジェクト」の説明をさせていただきます。
うのずくりとは、この2つのプロジェクトのトータルの愛称だと思ってください。
その前に少し、私の自己紹介をしたいと思います、 この度、うのずくり実行委員長として就任しました森美樹と申します。 どうぞよろしくお願いいたします。
出身は広島で、大学のため倉敷にやってきました。 大学では、ガラス工芸を学び、卒業後、自分の作業場を探している時に、駅東創庫のお話を聞いて、4年前に玉野に引っ越してきました。
駅東創庫とは、このバウハウスから宇野駅を挟んで反対側にあります大きな倉庫なのですが、ガラス工芸だけでなく、木工・陶芸・染色・絵画・美術・造形など様々なジャンルの作家、十数名が共同アトリエとして使用している体験型工房であります。
ギャラリー施設も兼ね備えており、展覧会が開催される際は皆様ぜひ足を運んでみてください。
配布資料の中の新聞記事にもあるのですが、今月(6月)の初め、以前鉄板屋「じゅじゅ」というお店だった所に引っ越してきました。
2階を住まいとして、1階の店舗を活かしてうのずくりの事務所と地域の皆様や色々な方との交流や楽しむことのできる空間を、これから創っていこうと思っています。その時はぜひ遊びに来てください。
さて、先ずうのずくりとは何かと申しますと、うのずくりの「ず」が「つ」に濁点の「づ」ではないのかと思われる方もいらっしゃると思うのですが、「ず」には、宇野に住んで+つくる、という意味が込められています。ものづくりや交流づくりも含め、住んでいるみんなで町を創っていこうというプロジェクトです。
具体的には、これから説明いたします「クリエイティブカップル移住プロジェクト」と「ロウディプロジェクト」のことです。
この町に住む人を増やしていこうという「クリエイティブカップル移住プロジェクト」と、移住者や町の人たちによってお店を増やしていこうという「ロウディプロジェクト」、この二つのプロジェクトをまとめ、町、宇野を創っていこうとすることを「うのずくり」と言います。
うのずくり実行委員会は、そのプロジェクトを実際に動かしていく実働部隊として立ち上がりました。うのずくりに関わる人達が集まり、移住者も含め、町のみんなで話し、無理のないようにゆっくりでも着実に実行する部隊として動いていこうと考えています。
それでは、「クリエイティブカップル移住プロジェクト」についてお話したいと思います。
クリエイティブとは、創造的・独創的という意味がありますが、クリエイティブな人たちとは美術・アートや工芸・クラフトに興味、関心が高く、海や山の自然はもちろん、古い町も好んで訪れます。
まさにここ玉野・宇野はぴったりな町です。
そういった方々に移住プロジェクトの情報を発信することにより、
「宇野が面白そうな移住プロジェクトやってるね」、「クリエイティブカップルに特化した移住プロジェクトだから、私達が友達になれるような物作りの好きな人が集まるんじゃない?」、「カップルで移住だから、一人で移住するより寂しく無い!一緒に宇野で住まない?」 というような感じでそういった方々に宇野に移住してもらいます。
そして、移住した人々によって、
「カップル友達沢山出来て全然寂しく無い!2人だから町にとけ込むのも比較的楽だった!」 「アート見においでよ!海も!そしてウチの町にも!」 「物作り好きな人おいで!私達のお店も見てって!」 「宇野の移住プロジェクト面白いから貴方も是非!」 というような情報の発信源となって、周りにどんどんアピールしてくれます。
それを聞いて、宇野に訪れたクリエイティブカップルが自分達もこの町に住みたいなという思いを抱くような、移住者を倍倍に増やしていくくプロジェクトです。
なぜそうやって人を増やそうとしているのかと申しますと、
例えば、若い人も年配の方も始めは同じくらい居たとします。しかし、時間がたつにつれ若い人は年をとっていきます。それにより、若い人は減っていきます。 購買力のある若い人たちが減っていきますと、お店の方も減っていってしまいます。
それと共に治安も悪化し、土地の価値も下がってしまいます。
又、土地を持たれている方が、近くに住まわれていて売買もしやすいのであれば、土地も動いていく可能性はありますが、誰の土地か分からない、遠くに住んでいて売買もたやすく行いにくいとなってくると、人が近寄りにくいゴーストタウン化してしまいます。
一番問題なのは、お店がなくなってしまったとき、残った僅かな人が本当に困ってしまうという状態に陥ることです。
このまま人が減り続ければ、商店街から生活に必要な商店が無くなり、年配の方は益々遠い地域のお店まで、将来的には歩いて行くことになります。
10年先をまたず、近隣のスーパーも無くなる可能性があります。
町に若い活力、若い移住者をこれから増やしてしていくことが、これらの解決策の一つといえるのではないでしょうか。
人を増やす為には大きな工場誘致等をして、大きく新しい建物を建て住居にする方法もあります。
しかし、今回はその方法ではありません。ゆっくり、町の人達と同じ目線で話しながら進めるため、ちょっとちょっと人が増えるような方法を考えてみました。
ちょっと人が増える⇒お店(販売業)の売れ行きが上がる⇒品揃充実な小売店が増える⇒もうちょっと人が増える⇒お店以外もちょっと商売がし易くなる⇒客商売の種類が増える⇒もうちょっと人が増える⇒ ちょっと活気が出る⇒ちょっと楽しい町になる⇒もうちょっと人が増える⇒ちょっと仕事が増える⇒ちょっと求人が増える⇒もうちょっと人が増える。
そして、移住者の対象として考えているクリエイティブカップルとは、「アートをやる人を呼んで来る」と思わないで下さい。 どちらかと言うと、工芸家や職人さんなどの手仕事をする人や、文化的な例えば落語や映画、演劇、小説家、 パン屋さんでも、デザイナーさんでも、 日曜大工が趣味のサラリーマンでも、盆栽マニアでもあります。
皆様にも日常を楽しんでもらえるような、そういう人を呼んで来たいと思っています。 しかし、そういう人ばかりに限定するのではなく、 特別な肩書きが無くてもこれから可能性を秘めているような、中身がそうならクリエイティブカップルとして 受け入て行きたいと考えております。
そして、なぜクリエイティブカップルかと申しますと、
比較的一般的なカップルは、宇野を訪れ、自分達が住もうと考えた時、「古くて寂れてる町…もっと整備されてる方が良いなぁ」と思ってしまいます。
しかし、クリエイティブカップルは、「古くて素敵な町、自分達の手で、より良くしていきたいなぁ」と思われるように、クリエイティブカップルにとって宇野は非常に魅力的な町として捉えられます。
そして、なぜクリエイティブカップルかと申しますと、
比較的一般的なカップルは、宇野を訪れ、自分達が住もうと考えた時、「古くて寂れてる町…もっと整備されてる方が良いなぁ」と思ってしまいます。
しかし、クリエイティブカップルは、「古くて素敵な町、自分達の手で、より良くしていきたいなぁ」と思われるように、クリエイティブカップルにとって宇野は非常に魅力的な町としてとらえられます。
そして、宇野のまちを歩いたとき、
比較的一般的なカップルには、「古い家、新しくてきれいで便利な方がいいわ」と思うのに対して、
クリエイティブカップルには、「素敵な建物、自分達で住みながら良くしていけるなら最高!」というように、クリエイティブカップルにとって宇野の商店や建物も非常に魅力を感じます。
実際、私が引っ越した元鉄板屋「じゅじゅ」も、お店の中の作りは非常に面白いなぁと思っていて、これから自分達で手を加えるのをとても楽しみにしているところです。
そして、クリエイティブカップルは楽しむことに積極的です。
同じ住んでいても、比較的一般的なカップルは、「生活ができたらいいやー」と思うのに対して、
クリエイティブカップルは、「せっかくだからお店作ろう!友達も呼ぼう!楽しもう!」自分達の環境を活かして楽しむこと、又、それを人に伝えることにも積極的です。
クリエイティブカップルは、アクティブに活動し集客をしてくれます。
そして、そうやって移住した人によって開かれるお店のイメージなのですが、 始めからお店を開いてそれだけで生活をするというのは、皆様も思われると思いますが、中々難しいことです。なので、始めのしばらくの間、移住者は働きながらお店を開くということになります。
働いてない時間帯、平日の夜や、週末にお店を開けます。
お店も、木工・ガラス・家具・陶芸等の比較的生活に溶け込みやすい工芸品がはじめは主となっていくかと思われます。
そして、徐々に移住者が増え、お店も増え、お客さんも増えることによって、開店する時間帯も長くなり、様々な種類のお店が開かれていくようになります。
こういったお店、宇野の町で楽しんでもらうことをロウディプロジェクトと言っています。
ロウディプロジェクトという名前の由来は、 直島のHigh(高い)一日に対して、宇野のLow(低い)一日を提供しようという意味です。
この中で直島に行かれたことある方も数多くいらっしゃると思いますが、直島の芸術とは、 Highアート(高等芸術/現代美術)、Highカルチャー(高等文化/哲学、思想)であり、ある一定の知識を元に見る作品が多く、中々難しいなぁという印象をもたれる方もいらっしゃったのではないかと思います。
それに対して、宇野ではLowアート(大衆芸術/映画、演劇、工芸)、Lowカルチャー(大衆文化/演芸、落語)であり、皆さんの身近に感じられる芸術や文化を展開していけたらと思っております。
それがロウディプロジェクトです。
移住プロジェクトとこのロウディプロジェクトは、重なり合いながら動いていくと想像しておいてください。
なぜ、こういった「クリエイティブカップル移住プロジェクト+Low DAYプロジェクト」を考えたのかと申しますと、
今の町の問題点として、人が少ない、商店街としては店舗が少ないということが挙げられます。
その問題を解決するには、人を増やしたり、お店を増やしたいなぁと考えます。
しかし、それぞれを増やす、住む人を増やして、お店を増やすのは大変です。
人もお店も両方をまとめて一緒に増やすことはできないだろうか・・・ それは【店を増やし易い人を増やす】といいのではないかと考えました。 住む人が自分の得意とすることでお店を開く、 そういた要素を持ったクリエイティブな人たちに移住してきてもらい、お店を開いてもらうことは、この二つの問題点の対策案となるのではと考え、今回、うのずくりでは、「クリエイティブカップル移住プロジェクト+Low DAYプロジェクト」という計画を考えました。
今回の私達のプロジェクトは、これまで聞いていただいて分かると思いますが、
大規模開発や土木工事、車社会を考えたり、多くのお金を使うこと、急激で利潤のみを考えたような儲け主義といったことは考えていません。
住む人を増やし、自分達で工夫を凝らした内装工事を行い、歩いてゆっくりまちを楽しむことができる、今有る物、建物や社会的資源を有効に使っていき、自分達でできる一つ一つのことを行っていくことで、着実にゆっくりと、お互い助けあいながら、精神的にゆとりをもった方向で動いていきたいと考えています。
今あるものを生かした再活性、人と人との繋がり、コミュニティ作りをしていきたいと思っています。
若い方も年配の方も、地域の方も移住者も、一緒になって町のことを考え、誰もが楽しく安心して暮らせる町を創っていきたいなと考えております。
なので、皆様一人一人でできる、一つ一つの小さなことを積み重ねて、緩やかに繋がって、町を創っていこうという、民間主導のまちづくりを行いたいと思います。
民間とは、町の人、ここにいる人、私達一人一人です。
そして、うのずくり実行委員会では、このプロジェクト、まちづくりを行うために次のことをしていきます。
①住まいづくり
短期滞在用の物件と中期滞在用の物件を各1軒程度、移住者定住用の物件を必要数、適宜確保して行く。
②職づくり
現在、宇野で募集中の求人情報を収集、整理し、発信。新しい仕事の立ち上げをお手伝いする。
③お店づくり
クリエイティブな移住者が作り、就業時間外や休日に自宅をお店を出して作品商品を販売するのをお手伝いする。
④娯楽づくり/イベントづくり
移住して来た人も、元々の住民も楽しめる文化的娯楽を作るお手伝いをする。
碁会所、青空麻雀、ミニシアター、寄席場、小劇場、立ち飲み屋、歌声喫茶、お茶会、登山、ヨット、カヌー大会等。
⑤情報の整理、発信
こういった情報を、上記4つの事柄を中心に、移住して来て欲しい人達、観光に来て欲しい人達に伝えたい、伝えるべき情報を整理し、着実に情報が渡るように伝達するために、整理、発信していくこととしています。
(※現在、若い人は求人、不動産情報等もインターネットを使って集めている。)
情報の整理・発信がどれくらい重要なのかと申しますと、
今現在、直島への観光客を宇野へ誘導できるホームページは一つもありません。
直島・豊島への観光客は年間約30万人といわれています。年間30万人の見込み客が眼前を素通りしているわけです。
この30万人に効果的にアプローチする方法は何か?と考えますと、
現在、旅行者の7割以上が何らかの形で、旅の前にインターネットを使って旅先の情報を収集しています。
つまり、21万人程度がインターネットで直島の旅の情報を収集していることになります。
そのうち、3分の2程度は高松経由であったり、日程的な問題で宇野に立ち寄れなかったと考えても、残り3分の1程度を立ち寄り客として取り込むことが出来れば、今30万人素通りしているのを情報発信することによって、約7万人の立ち寄り客が訪れるようになります。
実際、宇野や宇野港、直島への経路として、宿泊場所として等、宇野と宇野近辺情報に興味関心を持って検索している人の総数は、検索しても旅行しない人や重複等があり、旅行者実数より多くなります。毎月2.5万人程度。年間延べ30万人程居ます。
お客さんを取り込むための情報発信の重要性は、これで分かっていただけたかと思います。
そして、観光客が来るということは、
先程いったように、7万人の観光客が訪れ、このうちの1割の人が宇野に宿泊すれば、年間7千人の宿泊客ができます。
日帰り観光客が使うであろう費用は、一人当たり6千円程度。
泊まり客が現地で使うであろう費用は、一人当たり2万円程度といわれています。
現実的に取り込み可能な7万人分の消費総額は、1年間で518百万円。
観光資源を強化して、倍の取り込みに成功出来れば、1,036百万円となります。
この数字は、今現在の直島観光の一部の利用者を取り込むだけでの数字であって、宇野の町で独自の観光客を獲得出来るまで成長出来れば+αとなって上積みも可能です。
※各数字に関しては、香川観光交流局、Googleキーワードツールの情報に基づいております。
クリエイティブカップル移住プロジェクト、ロウディプロジェクトによって、宇野に文化的な仕事や娯楽を増やす。
宇野が工芸・文化のまちとして楽しめるように成長していく。
それを情報発信によって、今素通りしている観光客であったり、又新たに文化を楽しめるまち宇野を目指してこられるお客様に訪れていただく。
そういったことができるようになります。
では、移住者にとって必要となります住まいに関すること、物件の「貸借りイメージ」に触れておきますと、 例えばのお話ですが、
今、使っていない空いたままのスペース、物件を、綺麗に直すことなくそのまま始めの1~2年目は店子さんに渡します。
店子さんは、月々の家賃の代わりに、50万円程度をかけて自腹で住めるように内装工事を行います。内装工事の計画は、もちろん大家さんとお話をしながら進めていきます。
2~3年目になると、月々2~3万円の家賃を大家さんにお支払いします。借りている間も店子さんは継続して住みやすい家に改装をしていきます。
3年目以降は、再契約や家賃の再設定などの選択設定権利は、大家さんにあり、店子さんが引き続き居住希望なら大家さんと再入居交渉という風になります。
結果、大家さんは始めに1円も使わず、1年か2年の間待つだけで、確実に建物を改修し、「店子予定者」を獲得することができます。
こういった仕組みにより、移住者も比較的受け入れやすく、大家さんも空いたままのスペース・建物を持たないようにしていけるのではないかと考えています。
ここで、これから活動していく、うのずくりの関係図を見ていただこうと思います。
実働部隊である「うのずくり実行委員会」が真ん中にあるのですが、その上にうのずくりを支える支援組織としてのNPO法人をこれから作っていきます。
NPO法人は、国や市、商工会等の行政の協力(助成等)をいただきながら、又、地元商店会や個人の方々の寄付をいただきながら、うのずくり実行委員会を支えていただきます。
私が、このNPO法人とうのずくり実行委員会のつなぎ役としても動いていきます。 これから立ち上げますNPO法人についての詳しい説明は、6月30日(木)19:00~、ここバウハウスにて行いたいと思いますので、ぜひ皆様お越しいただけたらと思います。
うのずくり実行委員会では商店街や地元住民、移住者と日常的交流をしながら、クリエイティブカップル移住プロジェクト+Low DAYプロジェクトを進めてゆき、観光客や移住希望者に対して情報を発信していきます。
まちづくりの大きなくくりとしては、玉野市中心市街地活性化基本計画というものがあります。
それにつきましては、この説明の次にお話をされますので、引続きお聞きいただけたらと思います。
何事も、行う前からうまくいかない理由を探しだすのは簡単です。
「私たった一人」にとっては、簡単なことじゃありません。
でも、「難しいことだからやらない。」とはなりません。
なぜなら、町をよくして行くことは、まさに今やるべきことだから。
「出来ない」「難しい」と言う発言は、自分達の上限を自分達で決めつけてしまっています。
「やろう!」「がんばろう」と言って頂ける仲間からは、勇気と元気とやる気を貰えます。
どうか、皆さんも「やろう!」「がんばろう!」と言って下さい。
今迄ご説明した通り、皆さんにとって難しいところはありません。
少しずつの協力をしていただけるだけで、必ず上手く行きます。
もう一つ、
過去の経験を参考にすることは、もの凄く重要なことです。
今までの宇野、玉野の「町づくり」「再開発」でどこが良くてどこがダメだったか、反省すべき所は反省し、反映すべき所は反映させ、トライ&エラーで事業を進め、より良い未来を皆でたぐり寄せる必要があります。
最後に
どうか教えて下さい。「どういった成功や失敗をしてその原因は何だったのか。」
そして、改善点をこの事業に盛り込みましょう。過去を活かしましょう。
皆で作り上げましょう。皆で考えましょう。色々教えて下さい。
そうやって、この事業を皆で進めて行きませんか?
今回のこの説明だけでは分からないところもあるかと思います。
分からないことがあれば、いつでも何回でも私に聞いてください。
長らくのご清聴ありがとうございました。
森さんの説明に聴衆は感動し、大きな拍手が沸きあがりました。
恐らく皆、「やろう、やりたい!」と思ったのではないだろうか。
写真は上から、うのずくりの説明をする森美樹さん、昼の部の聴衆、説明画面、説明会前に掲載された新聞情報、最後は説明会実施の新聞報道。
今年1月、玉野市の中心市街地(宇野駅~宇野港~築港商店会界隈)の再活性化のために、全国から若手クリエーターを宇野港商店街に呼寄せようという提案が出され、その実現を図るために動いてきた。
4月には、実現のための「うのずくり実行委員会」が設立され、実行委員長には駅東創庫でガラス作家として活動している森美樹さんが選任された。又、実行委員会を支援するためのNPO法人も設立しようということで、その準備も同時並行的に進められてきた。
しかし、そのプロジェクトを効果的に実現するためには、地元の協力が絶対的に欠かせない。そこで、6月12日(日)、地元説明会を開催できる運びとなった。昼の部午後2時からと、夜の部午後7時からの2回開催、両方で約40人の参加があった。
今日は、その折、森実行委員長がPPTで説明した内容をそのまま紹介する。
かなり長い文章だが、読んでいただいら大変有難い。
<森実行委員長の説明内容>
これから、「クリエイティブカップル移住プロジェクト」とそれに伴って進めることとしている「ロウディプロジェクト」の説明をさせていただきます。
うのずくりとは、この2つのプロジェクトのトータルの愛称だと思ってください。
その前に少し、私の自己紹介をしたいと思います、 この度、うのずくり実行委員長として就任しました森美樹と申します。 どうぞよろしくお願いいたします。
出身は広島で、大学のため倉敷にやってきました。 大学では、ガラス工芸を学び、卒業後、自分の作業場を探している時に、駅東創庫のお話を聞いて、4年前に玉野に引っ越してきました。
駅東創庫とは、このバウハウスから宇野駅を挟んで反対側にあります大きな倉庫なのですが、ガラス工芸だけでなく、木工・陶芸・染色・絵画・美術・造形など様々なジャンルの作家、十数名が共同アトリエとして使用している体験型工房であります。
ギャラリー施設も兼ね備えており、展覧会が開催される際は皆様ぜひ足を運んでみてください。
配布資料の中の新聞記事にもあるのですが、今月(6月)の初め、以前鉄板屋「じゅじゅ」というお店だった所に引っ越してきました。
2階を住まいとして、1階の店舗を活かしてうのずくりの事務所と地域の皆様や色々な方との交流や楽しむことのできる空間を、これから創っていこうと思っています。その時はぜひ遊びに来てください。
さて、先ずうのずくりとは何かと申しますと、うのずくりの「ず」が「つ」に濁点の「づ」ではないのかと思われる方もいらっしゃると思うのですが、「ず」には、宇野に住んで+つくる、という意味が込められています。ものづくりや交流づくりも含め、住んでいるみんなで町を創っていこうというプロジェクトです。
具体的には、これから説明いたします「クリエイティブカップル移住プロジェクト」と「ロウディプロジェクト」のことです。
この町に住む人を増やしていこうという「クリエイティブカップル移住プロジェクト」と、移住者や町の人たちによってお店を増やしていこうという「ロウディプロジェクト」、この二つのプロジェクトをまとめ、町、宇野を創っていこうとすることを「うのずくり」と言います。
うのずくり実行委員会は、そのプロジェクトを実際に動かしていく実働部隊として立ち上がりました。うのずくりに関わる人達が集まり、移住者も含め、町のみんなで話し、無理のないようにゆっくりでも着実に実行する部隊として動いていこうと考えています。
それでは、「クリエイティブカップル移住プロジェクト」についてお話したいと思います。
クリエイティブとは、創造的・独創的という意味がありますが、クリエイティブな人たちとは美術・アートや工芸・クラフトに興味、関心が高く、海や山の自然はもちろん、古い町も好んで訪れます。
まさにここ玉野・宇野はぴったりな町です。
そういった方々に移住プロジェクトの情報を発信することにより、
「宇野が面白そうな移住プロジェクトやってるね」、「クリエイティブカップルに特化した移住プロジェクトだから、私達が友達になれるような物作りの好きな人が集まるんじゃない?」、「カップルで移住だから、一人で移住するより寂しく無い!一緒に宇野で住まない?」 というような感じでそういった方々に宇野に移住してもらいます。
そして、移住した人々によって、
「カップル友達沢山出来て全然寂しく無い!2人だから町にとけ込むのも比較的楽だった!」 「アート見においでよ!海も!そしてウチの町にも!」 「物作り好きな人おいで!私達のお店も見てって!」 「宇野の移住プロジェクト面白いから貴方も是非!」 というような情報の発信源となって、周りにどんどんアピールしてくれます。
それを聞いて、宇野に訪れたクリエイティブカップルが自分達もこの町に住みたいなという思いを抱くような、移住者を倍倍に増やしていくくプロジェクトです。
なぜそうやって人を増やそうとしているのかと申しますと、
例えば、若い人も年配の方も始めは同じくらい居たとします。しかし、時間がたつにつれ若い人は年をとっていきます。それにより、若い人は減っていきます。 購買力のある若い人たちが減っていきますと、お店の方も減っていってしまいます。
それと共に治安も悪化し、土地の価値も下がってしまいます。
又、土地を持たれている方が、近くに住まわれていて売買もしやすいのであれば、土地も動いていく可能性はありますが、誰の土地か分からない、遠くに住んでいて売買もたやすく行いにくいとなってくると、人が近寄りにくいゴーストタウン化してしまいます。
一番問題なのは、お店がなくなってしまったとき、残った僅かな人が本当に困ってしまうという状態に陥ることです。
このまま人が減り続ければ、商店街から生活に必要な商店が無くなり、年配の方は益々遠い地域のお店まで、将来的には歩いて行くことになります。
10年先をまたず、近隣のスーパーも無くなる可能性があります。
町に若い活力、若い移住者をこれから増やしてしていくことが、これらの解決策の一つといえるのではないでしょうか。
人を増やす為には大きな工場誘致等をして、大きく新しい建物を建て住居にする方法もあります。
しかし、今回はその方法ではありません。ゆっくり、町の人達と同じ目線で話しながら進めるため、ちょっとちょっと人が増えるような方法を考えてみました。
ちょっと人が増える⇒お店(販売業)の売れ行きが上がる⇒品揃充実な小売店が増える⇒もうちょっと人が増える⇒お店以外もちょっと商売がし易くなる⇒客商売の種類が増える⇒もうちょっと人が増える⇒ ちょっと活気が出る⇒ちょっと楽しい町になる⇒もうちょっと人が増える⇒ちょっと仕事が増える⇒ちょっと求人が増える⇒もうちょっと人が増える。
そして、移住者の対象として考えているクリエイティブカップルとは、「アートをやる人を呼んで来る」と思わないで下さい。 どちらかと言うと、工芸家や職人さんなどの手仕事をする人や、文化的な例えば落語や映画、演劇、小説家、 パン屋さんでも、デザイナーさんでも、 日曜大工が趣味のサラリーマンでも、盆栽マニアでもあります。
皆様にも日常を楽しんでもらえるような、そういう人を呼んで来たいと思っています。 しかし、そういう人ばかりに限定するのではなく、 特別な肩書きが無くてもこれから可能性を秘めているような、中身がそうならクリエイティブカップルとして 受け入て行きたいと考えております。
そして、なぜクリエイティブカップルかと申しますと、
比較的一般的なカップルは、宇野を訪れ、自分達が住もうと考えた時、「古くて寂れてる町…もっと整備されてる方が良いなぁ」と思ってしまいます。
しかし、クリエイティブカップルは、「古くて素敵な町、自分達の手で、より良くしていきたいなぁ」と思われるように、クリエイティブカップルにとって宇野は非常に魅力的な町として捉えられます。
そして、なぜクリエイティブカップルかと申しますと、
比較的一般的なカップルは、宇野を訪れ、自分達が住もうと考えた時、「古くて寂れてる町…もっと整備されてる方が良いなぁ」と思ってしまいます。
しかし、クリエイティブカップルは、「古くて素敵な町、自分達の手で、より良くしていきたいなぁ」と思われるように、クリエイティブカップルにとって宇野は非常に魅力的な町としてとらえられます。
そして、宇野のまちを歩いたとき、
比較的一般的なカップルには、「古い家、新しくてきれいで便利な方がいいわ」と思うのに対して、
クリエイティブカップルには、「素敵な建物、自分達で住みながら良くしていけるなら最高!」というように、クリエイティブカップルにとって宇野の商店や建物も非常に魅力を感じます。
実際、私が引っ越した元鉄板屋「じゅじゅ」も、お店の中の作りは非常に面白いなぁと思っていて、これから自分達で手を加えるのをとても楽しみにしているところです。
そして、クリエイティブカップルは楽しむことに積極的です。
同じ住んでいても、比較的一般的なカップルは、「生活ができたらいいやー」と思うのに対して、
クリエイティブカップルは、「せっかくだからお店作ろう!友達も呼ぼう!楽しもう!」自分達の環境を活かして楽しむこと、又、それを人に伝えることにも積極的です。
クリエイティブカップルは、アクティブに活動し集客をしてくれます。
そして、そうやって移住した人によって開かれるお店のイメージなのですが、 始めからお店を開いてそれだけで生活をするというのは、皆様も思われると思いますが、中々難しいことです。なので、始めのしばらくの間、移住者は働きながらお店を開くということになります。
働いてない時間帯、平日の夜や、週末にお店を開けます。
お店も、木工・ガラス・家具・陶芸等の比較的生活に溶け込みやすい工芸品がはじめは主となっていくかと思われます。
そして、徐々に移住者が増え、お店も増え、お客さんも増えることによって、開店する時間帯も長くなり、様々な種類のお店が開かれていくようになります。
こういったお店、宇野の町で楽しんでもらうことをロウディプロジェクトと言っています。
ロウディプロジェクトという名前の由来は、 直島のHigh(高い)一日に対して、宇野のLow(低い)一日を提供しようという意味です。
この中で直島に行かれたことある方も数多くいらっしゃると思いますが、直島の芸術とは、 Highアート(高等芸術/現代美術)、Highカルチャー(高等文化/哲学、思想)であり、ある一定の知識を元に見る作品が多く、中々難しいなぁという印象をもたれる方もいらっしゃったのではないかと思います。
それに対して、宇野ではLowアート(大衆芸術/映画、演劇、工芸)、Lowカルチャー(大衆文化/演芸、落語)であり、皆さんの身近に感じられる芸術や文化を展開していけたらと思っております。
それがロウディプロジェクトです。
移住プロジェクトとこのロウディプロジェクトは、重なり合いながら動いていくと想像しておいてください。
なぜ、こういった「クリエイティブカップル移住プロジェクト+Low DAYプロジェクト」を考えたのかと申しますと、
今の町の問題点として、人が少ない、商店街としては店舗が少ないということが挙げられます。
その問題を解決するには、人を増やしたり、お店を増やしたいなぁと考えます。
しかし、それぞれを増やす、住む人を増やして、お店を増やすのは大変です。
人もお店も両方をまとめて一緒に増やすことはできないだろうか・・・ それは【店を増やし易い人を増やす】といいのではないかと考えました。 住む人が自分の得意とすることでお店を開く、 そういた要素を持ったクリエイティブな人たちに移住してきてもらい、お店を開いてもらうことは、この二つの問題点の対策案となるのではと考え、今回、うのずくりでは、「クリエイティブカップル移住プロジェクト+Low DAYプロジェクト」という計画を考えました。
今回の私達のプロジェクトは、これまで聞いていただいて分かると思いますが、
大規模開発や土木工事、車社会を考えたり、多くのお金を使うこと、急激で利潤のみを考えたような儲け主義といったことは考えていません。
住む人を増やし、自分達で工夫を凝らした内装工事を行い、歩いてゆっくりまちを楽しむことができる、今有る物、建物や社会的資源を有効に使っていき、自分達でできる一つ一つのことを行っていくことで、着実にゆっくりと、お互い助けあいながら、精神的にゆとりをもった方向で動いていきたいと考えています。
今あるものを生かした再活性、人と人との繋がり、コミュニティ作りをしていきたいと思っています。
若い方も年配の方も、地域の方も移住者も、一緒になって町のことを考え、誰もが楽しく安心して暮らせる町を創っていきたいなと考えております。
なので、皆様一人一人でできる、一つ一つの小さなことを積み重ねて、緩やかに繋がって、町を創っていこうという、民間主導のまちづくりを行いたいと思います。
民間とは、町の人、ここにいる人、私達一人一人です。
そして、うのずくり実行委員会では、このプロジェクト、まちづくりを行うために次のことをしていきます。
①住まいづくり
短期滞在用の物件と中期滞在用の物件を各1軒程度、移住者定住用の物件を必要数、適宜確保して行く。
②職づくり
現在、宇野で募集中の求人情報を収集、整理し、発信。新しい仕事の立ち上げをお手伝いする。
③お店づくり
クリエイティブな移住者が作り、就業時間外や休日に自宅をお店を出して作品商品を販売するのをお手伝いする。
④娯楽づくり/イベントづくり
移住して来た人も、元々の住民も楽しめる文化的娯楽を作るお手伝いをする。
碁会所、青空麻雀、ミニシアター、寄席場、小劇場、立ち飲み屋、歌声喫茶、お茶会、登山、ヨット、カヌー大会等。
⑤情報の整理、発信
こういった情報を、上記4つの事柄を中心に、移住して来て欲しい人達、観光に来て欲しい人達に伝えたい、伝えるべき情報を整理し、着実に情報が渡るように伝達するために、整理、発信していくこととしています。
(※現在、若い人は求人、不動産情報等もインターネットを使って集めている。)
情報の整理・発信がどれくらい重要なのかと申しますと、
今現在、直島への観光客を宇野へ誘導できるホームページは一つもありません。
直島・豊島への観光客は年間約30万人といわれています。年間30万人の見込み客が眼前を素通りしているわけです。
この30万人に効果的にアプローチする方法は何か?と考えますと、
現在、旅行者の7割以上が何らかの形で、旅の前にインターネットを使って旅先の情報を収集しています。
つまり、21万人程度がインターネットで直島の旅の情報を収集していることになります。
そのうち、3分の2程度は高松経由であったり、日程的な問題で宇野に立ち寄れなかったと考えても、残り3分の1程度を立ち寄り客として取り込むことが出来れば、今30万人素通りしているのを情報発信することによって、約7万人の立ち寄り客が訪れるようになります。
実際、宇野や宇野港、直島への経路として、宿泊場所として等、宇野と宇野近辺情報に興味関心を持って検索している人の総数は、検索しても旅行しない人や重複等があり、旅行者実数より多くなります。毎月2.5万人程度。年間延べ30万人程居ます。
お客さんを取り込むための情報発信の重要性は、これで分かっていただけたかと思います。
そして、観光客が来るということは、
先程いったように、7万人の観光客が訪れ、このうちの1割の人が宇野に宿泊すれば、年間7千人の宿泊客ができます。
日帰り観光客が使うであろう費用は、一人当たり6千円程度。
泊まり客が現地で使うであろう費用は、一人当たり2万円程度といわれています。
現実的に取り込み可能な7万人分の消費総額は、1年間で518百万円。
観光資源を強化して、倍の取り込みに成功出来れば、1,036百万円となります。
この数字は、今現在の直島観光の一部の利用者を取り込むだけでの数字であって、宇野の町で独自の観光客を獲得出来るまで成長出来れば+αとなって上積みも可能です。
※各数字に関しては、香川観光交流局、Googleキーワードツールの情報に基づいております。
クリエイティブカップル移住プロジェクト、ロウディプロジェクトによって、宇野に文化的な仕事や娯楽を増やす。
宇野が工芸・文化のまちとして楽しめるように成長していく。
それを情報発信によって、今素通りしている観光客であったり、又新たに文化を楽しめるまち宇野を目指してこられるお客様に訪れていただく。
そういったことができるようになります。
では、移住者にとって必要となります住まいに関すること、物件の「貸借りイメージ」に触れておきますと、 例えばのお話ですが、
今、使っていない空いたままのスペース、物件を、綺麗に直すことなくそのまま始めの1~2年目は店子さんに渡します。
店子さんは、月々の家賃の代わりに、50万円程度をかけて自腹で住めるように内装工事を行います。内装工事の計画は、もちろん大家さんとお話をしながら進めていきます。
2~3年目になると、月々2~3万円の家賃を大家さんにお支払いします。借りている間も店子さんは継続して住みやすい家に改装をしていきます。
3年目以降は、再契約や家賃の再設定などの選択設定権利は、大家さんにあり、店子さんが引き続き居住希望なら大家さんと再入居交渉という風になります。
結果、大家さんは始めに1円も使わず、1年か2年の間待つだけで、確実に建物を改修し、「店子予定者」を獲得することができます。
こういった仕組みにより、移住者も比較的受け入れやすく、大家さんも空いたままのスペース・建物を持たないようにしていけるのではないかと考えています。
ここで、これから活動していく、うのずくりの関係図を見ていただこうと思います。
実働部隊である「うのずくり実行委員会」が真ん中にあるのですが、その上にうのずくりを支える支援組織としてのNPO法人をこれから作っていきます。
NPO法人は、国や市、商工会等の行政の協力(助成等)をいただきながら、又、地元商店会や個人の方々の寄付をいただきながら、うのずくり実行委員会を支えていただきます。
私が、このNPO法人とうのずくり実行委員会のつなぎ役としても動いていきます。 これから立ち上げますNPO法人についての詳しい説明は、6月30日(木)19:00~、ここバウハウスにて行いたいと思いますので、ぜひ皆様お越しいただけたらと思います。
うのずくり実行委員会では商店街や地元住民、移住者と日常的交流をしながら、クリエイティブカップル移住プロジェクト+Low DAYプロジェクトを進めてゆき、観光客や移住希望者に対して情報を発信していきます。
まちづくりの大きなくくりとしては、玉野市中心市街地活性化基本計画というものがあります。
それにつきましては、この説明の次にお話をされますので、引続きお聞きいただけたらと思います。
何事も、行う前からうまくいかない理由を探しだすのは簡単です。
「私たった一人」にとっては、簡単なことじゃありません。
でも、「難しいことだからやらない。」とはなりません。
なぜなら、町をよくして行くことは、まさに今やるべきことだから。
「出来ない」「難しい」と言う発言は、自分達の上限を自分達で決めつけてしまっています。
「やろう!」「がんばろう」と言って頂ける仲間からは、勇気と元気とやる気を貰えます。
どうか、皆さんも「やろう!」「がんばろう!」と言って下さい。
今迄ご説明した通り、皆さんにとって難しいところはありません。
少しずつの協力をしていただけるだけで、必ず上手く行きます。
もう一つ、
過去の経験を参考にすることは、もの凄く重要なことです。
今までの宇野、玉野の「町づくり」「再開発」でどこが良くてどこがダメだったか、反省すべき所は反省し、反映すべき所は反映させ、トライ&エラーで事業を進め、より良い未来を皆でたぐり寄せる必要があります。
最後に
どうか教えて下さい。「どういった成功や失敗をしてその原因は何だったのか。」
そして、改善点をこの事業に盛り込みましょう。過去を活かしましょう。
皆で作り上げましょう。皆で考えましょう。色々教えて下さい。
そうやって、この事業を皆で進めて行きませんか?
今回のこの説明だけでは分からないところもあるかと思います。
分からないことがあれば、いつでも何回でも私に聞いてください。
長らくのご清聴ありがとうございました。
森さんの説明に聴衆は感動し、大きな拍手が沸きあがりました。
恐らく皆、「やろう、やりたい!」と思ったのではないだろうか。
写真は上から、うのずくりの説明をする森美樹さん、昼の部の聴衆、説明画面、説明会前に掲載された新聞情報、最後は説明会実施の新聞報道。
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