2008年12月11日木曜日

サッキータイム~六輪病院、この1年

12月11日

平成20年も残すところあと20日となった。今年は、前半こそ好調な経済情勢かと思いきや、後半アメリカのサブプライムローン問題をきっかけに大手投資銀行リーマンブラザーズが破綻。迫り来る世界同時不況の波に、さすがのトヨタも大幅な減収減益を余儀なくされている。巷に流れるジングルベルも心なしか寂しく、クリスマス商戦も今一元気が感じられないように映るのは気の所為か?そんな中、元気に活躍しているものもある。
先日、NHKのニュースを見ていたら、日曜夜8時の大河ドラマ「篤姫」が視聴率29%となり、その人気の秘密を主演の宮﨑あおいが語っていた。幕末、篤姫自身の出身地・薩摩藩の江戸城総攻撃を前に、徳川家という家族と大奥の女性たちを守ろうとする、ひたむきな意志と芯の強さでぐいぐい引っ張ってゆく姿が視聴者に支持されたのだろうと言っていた。これまで幕末~明治維新といえば、坂本龍馬、勝海舟、西郷隆盛等、表舞台の男性ばかりが語られていたように思う。幕末の女性としては、徳川家に嫁いできた皇女和宮、龍馬の妻・お龍くらいしか思い浮かばなかったが、今回篤姫というファーストレディが、歴史の裏舞台で大活躍していたことを初めて知った。と同時に、信念に忠実に生きることの大切さを改めて思い知った次第だ。

さて、六輪病院に赴任して早2年半を経過。色んな施策を講じてきてはいるが、思ったように進めるのは中々しんどい。
ともかく、この1年を振り返って諸々反省してみることにしよう。先ず、今年六輪病院で実施された特徴的なイベントや施策について、順を追って回想する。
・1/4・・・外来患者の院外処方スタート。
・1/9・・・「永続可能な病院体制の確立」を目指した平成20年度経営方針を全員集会時に発表。
・2/15・・・各部門の業務分掌規程を一部改定、各部門の業務内容及び権限と責任、業務分担を明確化。
・2/28・・・県健康福祉部による介護保険実地指導。8件の指導を受け、3/25に改善策を回答。
・3/18・・・院内にインターネット環境を構築し、ウェブブラウザ閲覧及びEメール利用開始。
・4/1・・・S前院長の3/31付退職を受け、水野新院長誕生。
・5/22・・・1号棟空調&給湯設備の本体更新工事完成。
・5/27&10/15・・・全員参加のクリーン作戦。
・5/30・・・画像サーバ&モニタ導入設置(H20年度診療報酬改正に対応)。9/1よりフィルムレスへ移行。
・6/27・・・第1回YS活動報告会開催(3つのパイロットチームによる報告)。
・9/2・・・当院HPをインターネット上にアップ。URL:http://www.rokuwa.or.jp/
・10/1・・・4/1から休止中だった「六輪訪問看護ステーション」を廃止。
・10/9・・・保健所立入り検査。3件の指摘あり、11月末までに対応報告。
・10/10・・・「レセプト電算」の本格実施(提出資料を紙媒体から電子媒体に変更)。
・10/20~24、10/29~30・・・八開中及び平和中2年生の職場体験学習受入れ実施。
・10/中~・・・新入営繕担当等の働きによる院内外の環境美化促進。
・11/19・・・MEJによる当院レセプト点検結果報告 (その後フォローアップ推進中) 。
・11/28・・・第2回YS活動報告会開催(報告の手法を簡素化)。

当初立てた経営方針に照らして結果がどうであったかを反省すれば、次のように評価できるだろう。
(1)患者様本位の病院体制の確立:努力の跡は見られるが、未だ道半ばだ。患者様への接遇や言葉遣いなど、改善までには来年以降も努力が必要である。
(2)適正なケアミックス体制の構築:意識としては適正な方向に向いている。療養病棟は、いずれ医療療養に収斂せざるを得ないと思う。今からその方向での準備が必要だ。
(3)組織と役割分担の明確化:業務分掌規程等書類は整えた。作った仏に魂を入れるのは、病院スタッフの努力次第だ。
(4)健全経営の達成:健全経営を達成するために、手術や検査の件数増、診療行為が報酬にキチッと跳ね返るような正確な記録、ムダなコストの低減等、さらなる改善が求められる。
(5)目標達成のための制度の確立:各部署とも病院を良くするための「YS活動」に取組んで頂いている。忙しい中よく発表までこぎつけてくれたが、内容的にもう少しレベルアップが図れればと思う。来年に向け期待したい。表彰制度は、成果が上がった提案や部署に対して実施することで考えてゆきたい。

各医療現場では、毎日刻々と変動する患者様の動きやそれに対する対応に明け暮れ、上記のような形でこの1年を振り返る余裕もないという者も居るだろう。しかし、年の終りに当り、夫々の立場で1年を振り返るのは大切なことだ。反省があるからこそ次の年への躍進に繋がる。特に組織の長は、篤姫ほどではなくとも、「病院を良くするんだ」という強い意思と信念を持ってやってゆくことが求められる。

写真は上から、クリーン作戦で屋外の溝掃除をする看護師さんたち。導入した画像サーバシステムから映された画像。

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