1月2日
今年は、静かで穏やかな正月を迎えた。
昨年、未曾有の大震災と原発事故で、東北地方は大変な目に遭ったが、日本人の生き方・考え方を根本から変えるような出来事だった。
便利・豊かさ・効率、そこまではまだよかったが、それを超えて、欲得・身勝手・無責任、そういったものが日本中を覆っていたように思う。
地震そのものは、自然災害だから仕方ないとしても、その後の原発事故とその対応は、人災としか言いようのないことが続いた。
このような事故が現実に起こるということを予想していた人はどれだけ居たのか?
恐らく居るには居たんだと思うが、そのような正しいこと(恐ろしいこと)をいう人は体制から遠ざけられたのだろう。だから、そのような人の声は、一般の人の耳に入ることはなかった。
「原発は安全である」という神話を、日本の大多数の人は信じさせられていた。そして、多くの人が利権に群がり、天下り組織を作り、保身のための事勿れ主義が世の中を狂わせた。今も尚、その腐れた体制が幅を利かせている。早く真にあるべき姿にしなければならない。
真実を知ること、真実を伝えること、それは最も大事なことだと思う。
そして、そのための努力をすることは、尊いことである。
さて、サッキータイムでは、「自啓不止」をモットーに、自分自身の生き方・活動のありようや成り行き、学んできたこと・これから学ぼうとすることなどを紹介している。学びは、自分自身のものになるまで咀嚼してこそ人に納得してもらえる言葉になる。今年も、できるだけそのような心がけで、人にも自分にも納得できる言葉を探して行きたい。
今日は、太田先生に学んだ東野﨑浜の構造(『大日本塩業全書』より)について紹介する。
(1) 1軒前の規模:東野﨑分38軒前の場合は1軒前1町9反歩、胸上・西田井地分は2町6反歩と大きい。
(2) 堤防の構造:二重の石提により堅固である。
(3) 塩田地盤の構造:塩田地盤の下層は潮流によって埋堆した土砂、中層は塩田開発当時に埋立てた河川の底土と海底土砂の混同したもの、上層は海底の細砂五分を混合した微青黒色の細砂2寸5分の厚みのもので、粘土弱く毛細管引力に富んでいる。
(4) 撒砂(鹹砂):撒砂は、児島郡番田地方の海底の細砂(入替土と方言でいう)を採集し、船積みにて撒砂貯蔵場に運搬し、後1年経過したもの6分と、備前吉井川の細砂(西大寺砂又は河砂と方言でいう)4分を混合して使用する。鹹水の良否は、入替土が河砂より多ければ鹹水の比重が高まる傾向が認められる。また鹹水濾出は入替土と河砂との混合歩合によって遅速が認められる。すなわち、入替土が多ければ濾出のとき沼井中にて粘って泥状となり遅く、河砂多ければこれに反して濾出が速やかである。撒砂散布量は水分の多少によって差異があるが、晩春より夏季は撒布多量、冬季は少なく、初春及び秋季はその中間で一反当たり容量5石5斗(重量にして170貫目)である。替砂は1年1回これを行う(6月中旬に入替土4石5斗、河砂3石を混合してまく)。塩田撒砂(塩田作業)は雨天多き時は替持作業、晴天続く時は三持ち作業を行う。
(5) 沼井(台)の構造:台の松板をもって囲みたる面に接近して地盤を掘り、これに深さ1尺5寸、長さ2尺3寸、幅1尺4寸の楕円形の槽(容量4斗5升)を埋め込み、沼井の前面に力木(直径2寸、長3尺2寸)の松木を置き、その周囲を粘土をもって叩き上げ、台の底部の小穴より鹹水の流入するようになっている。塩田1軒前の1か年平均鹹水採収量は6,240石をみている。また年間の採鹹日数は160日、準備引浜は145日をみている。
(6) 煎熬釜及び使用燃料:煎熬釜は従来石釜を使用していたが、明治10年(1877)前後ころより一部鉄釜の導入を試みたが、竃の構造は別に変化なく、また燃料も松葉・松割木より石炭利用に移行(安政年間に)したが、竃の構造に変化は生じていない。一年間の平均煎熬日数は250日、平均収塩量は2,400石をみている。石釜より鉄釜への移行によって、釜の新調費は大いに減少し、また1軒前当り年間300円(一軒前塩生産2,000石について10万斤の石炭代)の石炭節約が可能になった(※1)。なお鉄釜は味野村鍛冶職・山本与吉が製造した。
安政年間に導入した石炭は肥前産の粉炭(瓢桐又は大加勢と呼称)7分と長門産の塊炭(長陽と呼称)3分を混合して使用した。
(※1)「塩業に関する諸取調」(明治31年9月)
平成8年4月、ナイカイ塩業㈱の主催で、東野﨑浜塩田跡地の一部に鎮守の森づくり植樹祭が行われた。浜山と名付けられた小高い丘に多くの人が植樹を楽しんだ。植樹が終った後、山田小学校児童による浜子唄のライブ合唱を聞いた。
昨年から、広大な東野﨑浜塩田跡地に太陽光発電の基地作りを行う話があるようだ。原子力という人の管理能力を超えるエネルギー源ではなく、太陽光という自然(再生可能)エネルギーを使うという発電方式は、これからの人間の生活に絶対的に必要になるものだろう。
再生可能エネルギーの推進は、サッキー自身の今年のテーマにしてもいいと思う。
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