5月13日(木)
2003年、岡山県玉野市の玄関口にある宇野港を文化と芸術の香り高い、アートな港にしたいと始まったのが「玉野みなと芸術フェスタ」である。この時のイベントは、八木マリヨさんという環境芸術・彫刻家の縄アートバイタルリンクであり、凄いマンパワーの要った協働によるアートであり、玉野市民の多くが関わったイベントとなった。
そこで翌年(2004年)、芸術フェスタを続けることになったとき、「芸術港」即ち「アートハーバー」というもののイメージを確認するため、市民アンケートを実施することとした。
そのアンケート結果の概要を、以下に示す。
問1:宇野港を全国的に注目される芸術港として賑わい創出を図るために、「アートハーバー」と呼称することに賛同できるかどうか?
回答1:「とっても」26.7%と「そうですね」58.6%を合わせ、85.3%の方が肯定的な回答だった。一方、「どうかなー」13.9%と「全く」0.8%の14.7%の方が否定的であった。現在の宇野港を見て直ちにアートハーバーと呼ぶことに対する疑問の声と、アートハーバーを目指すことに対する肯定の声が入り混じった結果が、データとして表われたのではないかと考えられる。
問2:「アートハーバー」のイメージに相応しいものは何か?次の中から選べ。
回答2:「並木道」12.0%、「美術館」11.9%、「広場」11.1%、「工房」10.3%の4つが10%以上だった。以下順に「街灯」8.5%、「アートプロムナード」7.4%、「ベンチ」6.4%、「バラ園」5.8%、以下、レストラン、音楽堂、ミュージアム、喫茶店、ファッションビル、映画館、その他の順だった。この結果から考えられるアートハーバーには、ヨーロッパ風のロマンティックな港町の風景がイメージされているのではないかと思われる。大きな音楽堂までは要らないが、せめて美術館や工房は、アートハーバーには欠かせないとの意向が伺える。限られた予算の中から、出来るだけアートハーバーのイメージに合うものを考えてゆく必要がある回答であった。
問3:今年(2004年のこと)開催する芸術フェスタとして、どのような希望があるか?次の選択肢から選べ。
回答3:「アートガーデンやアートプロムナードなど町並み景観を良くするための芸術フェスタ」が26.2%、「オーケストラ・和太鼓・軽音楽など各ジャンル合同の大音楽会」25.6%、「広い会場を借り切って行なう、市民参加型の芸術展覧会」14.3%、「芸術大学生や地元芸術家によるアートの実演・展示」13.2%、有名な芸術家などを交えた「アートハーバー・宇野港」に関するシンポジウム開催9.9%、「アートハーバー」のイメージ創りのためのデザインコンペ9.0%、「その他」1.8%という結果であった。
自由意見に次のようなものがあった。
・昔、出張で滞在した、フランスのマルセイユの街並み、港が美しかったのが今でも心に残っています。あのような街が素晴らしいのだが、絵になる街、時が止まった街、玉野市の生き残りをかけ、頑張りましょう。
・アートハーバの視点から宇野港の将来像を描くのではなく、宇野港にどんな基本設計がふさわしいかを柱とした「まちづくり」構想を確立する事が先決である。人に感動を与えて金を使ってもらえる構想がなければ単なる夜市に終る。芸術・福祉・学生学習等多彩な体験イベントを積極的に・・・・・:
・宇野港に行けばアレがある!見れる!癒される!というモノが欲しい。
・何をもって芸術港にしようとしているのか理解できない。箱ばかり作らず、玉野の(宇野港の)自然を大切にした計画を作ってほしい。
写真は、2005年に行った野外アート展のときの、宇野港に展示された作品の一部である。これがアートハーバーというわけではないが、港にこのようなアートが散りばめられたり、散策して楽しいアートがいっぱいの港というのも、アートハーバーの要素の一つかもしれない。
アートハーバー(その1)はここまで。
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