11月28日(日)
玉野みなと芸術フェスタ2010最後のイベント「たまので 狂言を楽しむ!」は、11月28日(日)、宇野中学校体育館武道場で開催された。約200人の観客は、玉野では滅多に観ることの出来ない狂言の面白さと楽しさに大満足されていた。
新作狂言「野﨑武左衛門」は、昨年の創作狂言「野﨑武左衛門」を部分改定したものだが、内容的により面白くなるよう工夫を凝らしたものとなっていた。又、狂言受講生のレベルも昨年より向上し、所作や掛け合いの面白さに客席の反応もよく、出演者自身も手応えを感じていたようであった。
写真は上から、野﨑武左衛門と彼が開墾した入浜式塩田の説明、新作狂言「野﨑武左衛門」の各場面。
以下、公演に関するアンケート結果のまとめである。次回公演に貴重な意見が出されている。
今回公演の目的は、塩田王・野﨑武左衛門の功績を称え、玉野市に残る製塩文化や歴史遺産を後世に引き継ぐことであった。その手段として選んだのが、武左衛門も愛した「狂言」という日本古来の伝統芸能であり、地域に根ざした狂言がやがては玉野市の新たな文化として定着することをも目指そうとするものであった。
そこで、公演を観ていただいた観客の皆さんにその評価を仰ぐとともに、上記目的に賛同いただけるものかどうか、又狂言講座への参加希望をも確認し、狂言に対する興味の深さを調査すべく、アンケートを取ることとした。
結果を総括すると、狂言が非常に楽しい芸能であることを分かってもらうことができ、玉野市の新たな文化として根付かせることを希望する方が相当おられることが分かった。又、今後継続するに当たっての有意義な提言も幾つかあった。
今後の方針については、本アンケートの結果も参考にしながら、企画検討会及び実行委員会の中での充分な議論並びに講座生の意向なども踏まえて、納得の行く形の結論を導き出したい。以下、設問ごとに各回答結果を考察する。
A. 住まい(どの地域から来られたのかを確認)
開催場所が宇野地区であったこともあってか、山田・東児地区以外からの観客が87%を占めていた。山田・東児地区からは9%で、全体の96%が玉野市在住の方だった。市外からは、岡山、倉敷、早島などから数名来られていた。
B. 交通手段(会場まで何を使ってこられたのかを確認)
マイカーが圧倒的で、75%の方がマイカーであった。相乗りで来られた方もあると思われるので、およそ200×0.75÷1.5=100台くらいのマイカー(観客総数の半数)が集まったのではないかと思われる。
今回、会場が宇野中学校で校庭への駐車もできたため、観客からの不満の声がなかったのはありがたかった。人が大勢集まるイベントでは、駐車場の確保が欠かせないことを留意しなければならない。
C. 開催を知った媒体(PR方法として効果のあるものは何かを確認)
「人に聞いて」というのが63%、口コミによるPRが最大の武器であった。又、「その他」23%も内容的には「人に聞いて」であり、両者を合わせると86%が口コミであった。狂言講座生を中心とした口コミによるPRが最大の効果あることが再確認できた。又、広報たまの、チラシによる広報も不可欠の媒体である。新聞記事、TV放送を見ての来場者は僅かだったが、価値を高めるために今後とも欠かせない媒体である。
D. 新作狂言「野﨑武左衛門」楽しめたか(どの程度かを確認)
「大いに」86人(67%)と「少し」34人(27%)を合わせ120人(94%)の方が楽しんでくれた。「どちらとも言えない」0人、「大して」0人、「全く」0人であり、殆んど全ての方が新作狂言「野﨑武左衛門」を楽しい狂言であると、肯定的に感じてくれたと判断できる。今後、玉野市の文化として育て上げる値打ちのあるものと考えていいのではないだろうか。
E. 鬼山伏狂言「清水」を楽しめたか
「大いに」が92人(72%)と新作より多かったのは、プロの狂言はさすがと言う評価であろう。「少し」17人(13%)と「どちらとも言えない」2人(2%)があって、一見新作より低い評価のように見えるが、これはプロだから楽しめて当然という意見の表明なのかもしれない。
今後継続する場合、プロの狂言を含めるかどうかというのも議論の対象とすべきである。
F. 玉野に狂言を根付かせることに賛同できるか
「大いに」が89人(70%)、「少し」が19人(15%)、計106人(85%)の方が、玉野に狂言を根付かせることに賛同された。「どちらとも言えない」が12人(9%)を占めたが、否定派は0人であった。つまり、殆んど全ての方が根付かせて良いと判断されており、無視できない意見の表明と言わなければならない。
G. 参加希望は?(狂言の会への参加の意向を確認)
「大いに」が12人(9%)居られ興味を持たれた方がかなりあったが、実際に参加に結びつくかどうかは、個々に当たってみないと何とも言えない。「できるだけ」が38人(30%)あったが、これらの方が実際の参加に結びつくことはかなり難しいと思われる。「どちらとも言えない」以下の方65人(51%)は、不参加の意思表示と考えてよい。
H. 回答者の属性
(1) 年齢(どのような年齢層が多いのかを確認)
60歳台52%、70歳台22%、80歳以上7%と、60歳以上高齢者が81%を占めた。続いて50歳台9%、40歳台3%、30歳台2%、10歳台以下2%、20歳台1%の順となっていた。イベントの内容から高齢者が多いのは当然だろうが、小中学生等の子供たちにも伝統芸能の良さと地域の歴史を知るためにも、もっと観てもらうための努力が必要である。
イベント直前に狂言の特別学習があった、築港小や山田小学校への紹介なども積極的にやるべきだったか。
(2) 職業(どんな仕事をされている方が多いのかを確認)
主婦が非常に多く40%、続いて無職20%、会社員13%、自営業8%、その他6%、公務員4%、学生・生徒3%の順であった。
集客には主婦層及び定年後のお年寄り層をがっちり確保することが重要な要素ではあるが、前項とも合わせ考え、若手特に学生・生徒等への働きかけも強化する必要がある。
(3) 性別(入場者の男女比率を確認)
女性が61%、男性が36%で、例年通り女性客の方が多かったが、その差は昨年よりは少なかった。
(4) 連絡先(差し支えない方に記載していただいた)
正直な気持ちを表していただくために、基本的に無記名アンケートとしているが、24人の方(19%)が、お名前だけ、お名前と電話或いは住所も書いてくれた。ただ、参加希望欄に「大いに」と書かれたのに連絡先を書かれていない方の場合、本人への直接確認のしようがなく残念であった。
I. 意見と希望(回答者の自由意見)
・初めて見させて頂きました。中々面白かったです。
・とても面白かったです。私は初めてでした。
・玉野で狂言を楽しめてとても良かったです。狂言は初めての経験でした。皆さんとても上手でしたよ!
・玉野の狂言よろしくお願いします。
・塩の出来方の説明が長すぎました。足が痛かった。何十年ぶり、とても楽しかったです。次回も楽しみにしています。
・皆様良くお稽古され解りやすく楽しい舞台でした。古典はさすがに!!楽しく、ありがとうございました。
・出演者の皆さん、これを直接間接に支援する皆さんの努力の跡が顕著であり、感心させられました。今後も継続されることを祈念いたします。観る立場で今後も参加したい。
・久し振りの狂言でした。楽しく鑑賞させて頂きました。
・講座生の方々がとてもお上手なのでびっくりしました。マイクもないのに腹から声が出て大きな声にびっくりしました。上等な笑いでとても楽しかった。
・初めての狂言でしたが楽しませていただきました。皆さんよくせりふを覚えて練習をよく重ねられたことと思われます。武左衛門さんのことを(玉野市の文化など)勉強したいと思います。
・楽しい催しをありがとうございました。
・かっては謡の会もあり色々な人が参加していたようですが、現在はカラオケばかりでなんとも言えませんが、是非日本古典芸能を続けて欲しいものです。出演者皆様のお上手(一層の練習の賜物)に感じ入りました。
・山田地区で公演されていた時、夜だったので観に行けませんでしたが、昼の公演だと都合が良いです。奈義町で歌舞伎を根付かせています。毎年11/23に上演されているようです。玉野に狂言を根付かせることは可能だと思います。大人だけでなく、子供も参加できればいいですね。
・関係者のご尽力に敬意を表し、今後とも大変であるが一層のご研鑽を積まれ、玉野市の文化向上と市勢の発展に邁進することを期待とご依頼を申し上げます。
・大いに楽しませていただきました。ありがとうございました。
・山田・東児地区子供達の狂言 子供狂言を作って欲しい。
・今まで狂言は自分に縁のないものと思っていましたが、少々身近に感じることが出来ました。今後も頑張って下さい。
・楽しかったひとときでした。
・今回も(3回目)又、楽しませてもらいました。ありがとう。今後とも頑張って下さい。
・狂言とはどんなものかと来ました。楽しく見せていただきました。
・玉野で狂言を普及することは大変いいことだと思います。
・見るだけ
・昨年より改良進歩していたのに驚きました。
・たまにTVで見ても直ぐにチャンネルを変える程度であった狂言というものに初めて接する機会を頂きありがとうございました。参加のメンバー方の練習のご苦労、それを指導された田賀屋先生のご苦労もあったと思いますが、私にとって良い体験をさせて頂くと共に大いに笑わせて頂きました。
・初めて狂言を見て聞いてみて、少し楽しむことが出来ました。狂言は言葉遣いや仕草が大変だと思い、私も少し勉強したいと思います。
・伝統ある狂言を眼の前でみることができ素晴らしかったです。多くの人の活躍でいい舞台に感激しました。練習の積み重ねでお一人お一人がとても上手でプロの方のようです。折角の舞台にもっともっと沢山の方が来られたらよかったのに・・・、特に宇野中学校の学生の方全員みて日本の狂言を知って欲しいと思いました。今後もご活躍ください。
・努力されての演出に感激しました。古典の良さを再認識する感じです。皆さんのこの日に敬意を表します。
・子供と参加したが、鬼が出てくるところは子どもにも分かって面白かったです。
・狂言の会も巧かったですが、やはりプロの狂言師は迫力が違います。狂言は初めて見ましたが面白かったです。狂言の会の人も頑張って欲しいと思います。
・狂言を見たのははじめてだったけど、とてもおもしろかったです!ばあちゃん、とっても上手だったよ!!
・狂言に親しむ機会をありがとうございました。古典芸能を子供の頃から生で親しむ機会も大切と思われます。玉野でこの活動を根付かせ、子供に参加の機会もできれば良いと思いますが・・・
・楽しく見せていただきました。
・みることが少ない狂言を鑑賞できてよかったです。講座生の皆さんも頑張っておられ、素晴らしいと思います。ありがとうございました。
・初めて見させて頂き、狂言というものが少しわかったように思います。これから見る目が違うかもしれません。(テレビなどで見てもあまり興味がなかったのですが、言い回し、動作、声の出し方など・・・)
・見たり聞いたりするものなので、なじんで楽しめるのはむつかしい 。
・入場料が高い。
・初めて拝見しましたが、とても楽しかった。
・とても感動しました。出演者の方の素晴らしい狂言で、玉野で見れることがとてもありがたいことでございます。
・舞台のすぐ前で鑑賞できたので仕草がよく見え、足の動きなどもよく見え、声もとても大きくとても良かったです。さすが先生はすばらしく素敵でした。
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