2010年12月22日水曜日

サッキータイム ~児島で 狂言を楽しむ!~ことができるか?

12月22日(水)

倉敷市児島は、塩田王・野﨑武左衛門が生まれた地であり、そこには彼の遺した大きな邸・野﨑家旧宅がある。野﨑邸の近くに別邸・迨暇堂がある。迨暇堂は、野﨑家3代・武吉郎が貴族院議員を務めたとき、中央の客人を迎えるゲストハウスとして建てたものだとか。主屋は入母屋造の式台玄関を構え、百畳敷の大広間を有する壮大なものである。普段は非公開だが、倉敷の雛祭りのとき(毎年2月下旬~3月上旬)には、大きな段飾りが展示され一般公開される。
去年は、東野崎浜の近くにある山田小学校体育館で、創作狂言「野﨑武左衛門」を演じた。今年は、宇野中学校武道場で、新作狂言「野﨑武左衛門」を公演した。そして、来年、愈々野﨑武左衛門の生まれ故郷で公演しようではないかという話が持ち上がった。
実現するには、先ずは野﨑家の賛同が不可欠である。是非ともご理解願いたいと思う。あと問題は、色んな方の協力取付けと資金集めである。ナイカイ塩業さんや、倉敷市、児島商工会議所さんなど、多くの方のご協力が欠かせない。

サッキーの提案は、以下に示すようなものである。如何であろうか?

1. 新作狂言「野﨑武左衛門」の迨暇堂公演の意義
 今年、玉野市で公演された新作狂言「野﨑武左衛門」のあらすじは、塩田王・野﨑武左衛門の功績を称え顕彰したもので、経済人・文化人としての武左衛門の優れた人物像を分かりやすく表現しています。
 武左衛門の生まれ故郷である児島には、彼の遺した素晴らしい建築遺産・野﨑家旧宅があり、見学に訪れた多くの方がその素晴らしさと文化財に感激して帰られます。しかしながら、遺産を遺した武左衛門という人のこと、彼が築造した入浜式塩田がどのようなもので、どのような人たちがどのような気持ちで働いていたのかを知ること若しくは想像することは、実際には中々難しいことです。
 今回の新作狂言では、武左衛門の造った東野﨑浜で働いた浜子たちが日々の作業の中で彼の業績を語り、入浜式塩田での代表的な作業を所作の一つとして取り入れ、遺産を観ただけでは知ることの出来ない当時の姿を、狂言という日本古来の伝統芸能を通じて分かりやすくイメージすることができます。
そこで、児島や玉野だけに止まらず岡山県人として誇るべき偉人・野﨑武左衛門を称揚した新作狂言「野﨑武左衛門」を、生まれ故郷である児島味野の由緒ある野﨑家旧宅の別邸・迨暇堂で公演することは、製塩の歴史と塩田王・野﨑武左衛門の人となりをより深く知る上からも極めて意義深いことと考えます。

2. 公演の目的
(1) 一般の人があまり知らない郷土の偉人の業績を、武左衛門も親しんだ「狂言」という日本古来の面白い表現様式で知ってもらうことにより、郷土への愛着と誇りを育みます。
(2) 普段観ることのない日本古来の伝統芸能を、「野﨑武左衛門」という親しみやすい物語を鑑賞し、生でじっくり味わうことにより、日本文化の底の深さと日本という国の良さを肌で感じる機会を持ちます。
(3) 公演実施を通じて、塩田王・野﨑武左衛門を生んだ倉敷市児島地区と新作狂言「野﨑武左衛門」を生んだ玉野市との連携を深める機会とします。

3. 公演の概要(案)
(1) 主 催:児島で狂言を楽しむ実行委員会(仮称)
(2) 共 催:玉野みなと芸術フェスタ実行委員会、財団法人 竜王会館(野﨑家旧宅)、田賀屋狂言会
(3) 後 援:倉敷市教育委員会、ナイカイ塩業㈱、児島商工会議所
(4) 開催日時:2011年5月22日(日)14:00~15:30
(5) 開催場所:倉敷市児島味野・迨暇堂
(6) テーマ名:(案)「児島で狂言を楽しむ!」
(7) 演目&出演者:
 ①入浜式塩田及び新作狂言について(PPTによる解説)
 ②新作狂言「野﨑武左衛門」:(出演)玉野狂言講座生、(特別出演)田賀屋夙生、後見(広坂武昌)
(8) 入場料:無料(必要経費は、広告費などで賄うことで計画するが要検討)

4. 公演実現のために解決すべき諸問題
(1) 必要経費:○○万円(内訳:謝金○万円、広告宣伝費○万円、消耗品&雑費○万円)
(2) 収入確保:パンフ&プログラムへの広告収入又は協賛金○○万円
(3) 広告掲載社の確保:児島商工会議所を通じて広告いただける会社を紹介していただく。
(4) 出演者確保:2010出演者が全員そのまま残ればいいが、そうならない場合、新たな出演者を確保して基礎から練習しなければならず、公演時期は5月以降が望ましい。
(5) 広 報:倉敷市の広報誌、山陽新聞、テレビ、ラジオ、パンフ等

5. 参 考(新作狂言「野﨑武左衛門」活動の経緯)
 玉野市山田・東児地区には、塩田王・野﨑武左衛門が181年前に始めた入浜式塩田以来の長い製塩の歴史が脈々と息づき、今もこの地区最大の産業として生産が継続されています。地区に残るこれら製塩の文化や歴史遺産を後世に引き継ぐために、狂言と言う日本古来の芸能表現を使うことによって、当地区の新たな文化創造を図り、地区の地域おこしひいては玉野市の新しい文化活動の核となることを目指しました。
 又、野﨑武左衛門は、当時の岡山を代表するほどの文化人・経済人であり(茶人で、絵画・書等の目利きをし、蔵書も多くインテリであっただけでなく、財政的に池田藩にも貢献)、中でも謡いや狂言においては自らも嗜み、その催しを幅広く招聘していました。そのような実績を知るにつけ、その文化的事跡を地元の誇りとして末永く顕彰するための活動としてこの新作狂言の実現を図りたいとの思いがありました。更に一昨年の調査で、日本の伝統芸能である狂言には、酒、砂糖、酢、昆布等の生活用品に関わる演目はあったのですが、必需品である「塩」をテーマにしたものがないことも分かりました。
 そこで2009年、野﨑武左衛門の生い立ちから製塩事業成功に至る事跡、浜子唄に歌われた浜子たちの生活等を改めて調査研究し、それらの内容に基づいた塩に関する新作狂言を作り、地元住民に出演してもらうことにより、今後末永く残る山田・東児地区の新たな文化遺産とすることを目指しました。
2009年11月1~3日に開催された玉野みなと芸術フェスタ2009の第2期イベント「たまの東街道2009」のメーンイベントとして、11月1日に開催した「狂言を楽しむ夕べ」で創作狂言「野﨑武左衛門」を初公演、大きな反響と評価を得ることとなりました。
 2010年5月、新旧メンバー9名の玉野狂言講座生は、宇野地区での公演を目指して田賀屋夙生氏の指導の下、月2回のペースで練習を開始しました。今年の山田・東児地区イベント「たまの東街道2010」においては、11月14日、「わが町歴史探訪ライブ」として浜子唄ライブと新作狂言の発表を東野﨑会館で開催しました。又、11月28日、宇野中学校武道場で開催した「たまので 狂言を楽しむ!」の公演では、約180名の観客に楽しい笑いを提供し、大好評を博することとなりました。
 迨暇堂での狂言「野﨑武左衛門」公演については、昨年暮に2010年雛人形展でのイベントの一つとして話が持ち上がりましたが、実現には至りませんでした。新作狂言の題材とした野﨑武左衛門は児島出身の方であり、迨暇堂は野﨑家の文化資産でもあることから、ここでその公演を実現することが出来れば大変有りがたいことですし、今年こそその方向で話を進められたらと考えているところです。

写真は、昨年7月迨暇堂を見せていただいた時の写真である。

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