1月10日(土)
今年、玉野市山田では「塩」に関する創作狂言をやる方向で、全てが動いている。
話によると大蔵流で200演目、和泉流で250演目くらいの狂言があるというが、その中に塩を扱った狂言が一つもないということらしいのだ。だから、塩を扱った新作狂言ができるのは、狂言界にとっても面白いことなのかもしれない。
正月早々、「狂言めでた尽くし」というタイトルの狂言鑑賞会が開催された。その前日、同じ演目の狂言を体験するワークショップがあるというので、参加することにした。タイトルは、~太郎冠者になってみよう~ということで、「蝸牛」という演目の一部を体験することができた。
先ずは歩き方の稽古から。腰骨の前に手を当て、腰を少し落とし、摺り足で歩く。頭は上下せず、目は真っ直ぐ前を見て歩く。右に曲がるときは、左足を右足の前に乗せ、90度右を向いて歩く。左に曲がるときはその逆だ。歩くことが一人前にできると、狂言もほぼ一人前というから、正確に狂言の歩き方で歩けるようになるには、数年掛かるのだろうか?結構足腰を使うハードな歩き方だ。
「蝸牛」の開幕は、山伏の登場からのようだが、初心者には難しいということで、主人と太郎冠者の登場から稽古を始めた。台詞を全部喋るのは長過ぎることから、次に示す部分だけ。
主人「ヤイヤイ太郎冠者、居るかいやい。」
太郎「ハアーッ」
主人「居たか。」
太郎「お前に居りまする。」
たったこれだけのことだが、その立ち居振る舞いまでちゃんとやろうとすると中々難しい。実際、太郎の役をやったら、「ここに居りまする。」と簡単な台詞まで間違えた。
カタツムリが良く住む場所である藪に入るときの入り方。山伏に騙された太郎冠者が、囃子歌を歌うときの舞。夫々の動きに型があって、型通りに動くのも中々難儀である。囃子歌の文句が面白いので紹介しておこう。
♪ハア-ッ、雨も風も吹かぬに、出な釜打ち割ろう、出な釜打ち割ろう。
♪でんでん虫々、でんでん虫々、でんでん虫々。
文句もそうだが、その動きの滑稽さは、見た者でないと理解しづらい面があるだろう。兎も角狂言は面白い。しかし、動きを会得するには、かなりの年月が必要な気がする。
11日には、プロの狂言師による「蝸牛」と「昆布売」を楽しんだ。いい写真が撮れたのに、何故かCFカードがやられてしまって全く取り込めなくなった。まことに残念!
いずれにしても、何とか塩の創作狂言に結び付けたいものだ。
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