2011年5月3日火曜日

自啓ノート(17) ~スタッフに望まれる「さしすせそ」~

5月3日(火)

今年のGWは、長い人では連続10日の休みが取れるようだ。憲法記念日の今日は、丁度その中日である。TVでは、震災の影響で心配されていた各観光地が、意外にも賑わいを取り戻していると言う報道がされている。やはり、自粛ムードは却って経済を疲弊させると言う呼び掛けが功を奏したのかもしれない。
アメリカでは、オサマ・ビンラディンを射殺したということで、多くの人々が喜んでいた。10年前の9.11以来の宿敵をやっつけたと言う思いが強いのだろう。世界からテロがなくなることを望みたいが、報復の連鎖がなくなることは、当面期待できないだろう。世の中いい人ばかりではないのだ。残念ではあるが・・・

さて今日は、スタッフとして望ましい「さしすせそ」について考えてみたい。
 「さしすせそ」と言えば普通、料理の味付け手順として使われる。
さ:砂糖、し:塩、す:酢、せ:醤油(「しょうゆ」は昔「せうゆ」と書いた)、そ:味噌。
何故この順番がいいのかは理由があるようだ。各自試してみることをお勧めする。そして、その回答を実験的に証明されたら、あなたは「さしすせそ」なスタッフと言える・・・、かも?!

では、スタッフに望まれる「さしすせそ」とは、一体・・・?

「さ」=サイエンス(Science;知識)
「サイエンス」という言葉は、元々ラテン語のScientia(知識)に由来するそうだ。17世紀の科学革命の頃までは、体系化された知識や経験の総称をScienceと言っていた。今日、Science(科学)は、自然科学や人文科学の総称としてしばしば用いられている。
医療法人などの定款にも「当法人の目的は病院を経営し、科学的で且つ適正な医療を普及すること」と書かれている。特に病院では、スタッフとして必要なサイエンス(知識)が、ごく自然に行動に繋がるよう身につけることが望まれる。技術スタッフや営業スタッフなどにも、幅広い知識が求められる。
サッキーは、造船技師として入社直後、知識と技術の未熟さからお客さんの信頼を損ねたことがある。デビューの仕事は、ほろ苦いものだった。その後、今起こっている事象はどういうことなのか?この機械はどうすればうまく動かすことができるのか?設計通りの機能を持たせるためにどのように製作すべきなのか?新しい船を担当する度に、新しい知識を吸収し工夫しながら仕事に取り組むことによって、信頼を勝ち取ることができたことも事実である。

「し」=シンキング(Thinking;考える力)
フランスの哲学者パスカルは「人間は考える葦である」と言った。自然の中ではか弱い葦のようなものだが、「考える」という力を持ったところに人間の偉大さがあると考えたのだ。考えることは、人間の尊厳そのものだった。
3.11大震災では、正に自然の前における人間の弱さを見せつけられた。
原発にしても、安全神話の上に胡坐をかいてきたが、自然の力には勝てなかった。でも、人は考える力を持っている。必ずや復旧復興を果たすだろうし、エネルギーだって原発に頼らない新たな発見・発明がなされるであろう。
日常の活動においても、計画、行動、物の見方、論理的な思考、伝達、問題解決、論文や発表資料の作成、会議での連絡、上司への報告、プレゼンテーションでの発表など、あらゆる場面でよく考えた発言と行動を行い、多くの人々に信頼されるスタッフになりたいものだ。

「す」=スペシャリティ(Speciality;専門性)
弁護士や公認会計士、社会保険労務士など、資格を持たないと就けない職業は数多くある。病院や学校など、資格が幅を利かした職場もある。
夫々の資格は、取得時は最低限要求されるスキルしかないのが普通だ。車の免許もそうだが、使わなければ技術は向上しない。資格もその職業で磨きをかけないと本物にはならない。色んな経験をして、専門職として幅広いスキルアップが求められる。どのような職場にあろうと、たとえ資格を必要としない仕事でも、その道に入れば専門的な知識や技量は必ず必要となる。そうでなければ、お客は来ず物は売れず、たちまち倒産の憂き目に遭うだろう。

「せ」=センス(Sense;感性)
ファッションセンス、ユーモアのセンス、大人のセンス、美的センス等、センス(感性)のある人とは、その人に備わったえもいわれぬ雰囲気があって、尚且つそれを何気に実現できる人である。
ウィキペディアでは、「感性とは、美や善などの評価判断に関する印象の内包的な意味を知覚する能力で、非言語的、無意識的、直感的なもの」と書かれている。能力なので、これも磨けば高まるものだ。
センスには、感性だけでなく、感受性、勘、閃きなど幅広い意味が含まれる。良いものを沢山観る、数多くの患者を診る、様々な角度から試してみるなど、幅広い経験を積むことは、新しいものの発見、お客様からの信頼獲得などになくてはならない、最も重要なことなのだ。知性と感性が備われば、創造性も必ず豊かになる。
お客さんの何気ない言葉から、想像力を働かせて次に何が起こると言うことを空想できる能力はとても大事である。売上増大を求められる営業のスタッフには欠かせない能力である。美術系のスタッフや学芸員なども、展覧会の内容、展示方法、キャプションの作り方、広告の方法など、来館者増大にセンスが求められる。

「そ」=ソサエティ(Society;社交性)
社交とは、社会の中における交わり、お付き合いである。社交場、社交ダンス、社交辞令、社交パーティ、社交クラブ等、「社交」に関する言葉は数多くあるが、何れも人が集まり、会話を交わす場所に使われる。
人に好感を持たれ気さくにお付き合いできる人のことを、社交性のある人という。お客様に感じよく思ってもらい「次もこの店に来ようっと!」と言ってもらうためには、勿論確かな商品が一番だが、社交性(接遇など)も凄く大切な要素である。
社交性を高めるには、先ず挨拶である。おはようございます・お先に失礼します・助かります・お大事になど、はっきりハキハキ言おう。次に話題。新聞、雑誌、話題の本や映画・TV、音楽など。そしてスマイル。目が合ったら微笑み、気さくな雰囲気を作ろう。

料理の味付けも「さしすせそ」だが、スタッフとして味のある振舞いも「さしすせそ」である。身に備わるには、料理と同じくそれなりの努力と勉強が必要だ。
人が人としてこうありたいと願う、夢と希望、そして感動を求めて!

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