2月24日(水)
玉野みなと芸術フェスタは、2003年、宇野港再開発を前に宇野港をアートな港に使用との趣旨で、玉野市の主導で始まったアートイベントである。2年間は、国や県・市の補助金事業として開催されてきたのだが、市の財政が厳しくなった3年目から補助金0という状況に追い込まれながらも、市民の皆様方にご協賛をお願いしながら真面目に朴訥に継続してきた。
その間、市も協働の一方の担い手として、当初の企画課からバトンタッチした商工観光課が窓口となって担当して来たのである。ところが、5年目の2007年から、開催場所が宇野港から山田地区に変わり、フェスタの開催趣旨も、アートによる港の振興から地域に根ざす歴史・文化とアートの融合という風に変わってきた。そのため、宇野港の振興と商工業振興を主たる業務とする商工観光課の腰が引け出してきた。つまり、地区の歴史や文化と融合したアートの展開へと進んだ、芸フェスの事業は自分たちのミッションとは違うのではないかというものである。どちらかというと、生涯学習課が担うべき内容ではないかというのが言い分である。
そこで、生涯学習課を交えて三者で話合いを持ち、検討してもらった。生涯学習課の検討結果は、芸フェスの内容は多岐に亘り自分達だけでは対応できないので、市長に直接話をして欲しいという回答だった。それを受けて行った会談が、本日の市長面談だった。
文書で申し入れた検討事項は、下記の内容である。
芸術フェスタ活動を継続し活動の目的・目標を達成するために、下記に示すような課題とその解決案を提案いたしますので、ご検討賜りたく宜しくお願いします。
①対応組織の確立とまちづくりへの対応:協働の一方の担い手としての玉野市側の現組織及び業務分掌は、本事業への対応が難しい仕組ではないかと思われます。
芸術フェスタの事業は、これまで主として商工観光課で対応されてきましたが、山田地区での活動を行った後「これは生涯学習課の範疇ではないか」との意見が、商工観光課から出されました。そこで、両課と実行委員会の三者で話合いを持つこととなり、今後の取り組みについて生涯学習課で検討していただきました。
その結果、この事業は、生涯学習課の現状の業務範囲を超えた複数のセクションが関わるべき事業であるとの認識でした。つまり、本事業の考え方や趣旨及び具体的実施内容が市政全般に関わる問題との認識であり、現状では玉野市側の対応部署がないというのが結論との意向でした。
又、玉野市総合計画「みんなで築くたまのプラン」の基本計画/分野別計画では、第3項「活気あるいきいきとしたまちづくり」、第7項「生きがいに満ちた豊かなまちづくり」、第9項「市民参加のまちづくり」などにおいて、市民参加型まちづくりについての基本的な考え方が述べられています。
一方、私どもが進めております芸術フェスタ活動もある意味まちづくり活動に通じるものがあると思っています。しかしながら、この活動を市の総合計画とどのように整合性を持たせて進めるべきか、その姿が見えにくいというのが現状ではないかと思われます。
⇒(検討をお願いしたい提案)どこかの部局に「文化振興課」若しくは「まちづくり課」(何れも仮称)というセクションを設けて、市の文化活動の振興及び文化・芸術によるまちづくりを担うような組織の設置をご検討賜りたく提案します。
尚、2月18日に開催された中心市街地活性化協議会運営委員会において、アートによる中心市街地のまちづくりを議論するために「アート部会」を設置することが決定されました。具体的な部会の進め方については、今後の検討課題となっております。
②スタッフの参加協力:活動を支えるボランティアスタッフが不足しており、現状ではアーティスト自身がスタッフを担うような場面もあって、アーティストとしての本来の創作活動時間が十分に取れない状況もあります。何らかの方法で課題解決を図りたいと考えております。
⇒(検討をお願いしたい提案)実行委員会としても当然努力しますが、担当部局の方のスタッフとしての参加についてご検討賜りたく宜しくお願いします。
③活動資金の支援:市におかれてはこれまでもコピー・印刷でのご協力、市職員の皆様からのご協賛協力などを通じてご支援頂き、大変ありがたく感謝いたしているところです。しかしながら、本事業の実施に当たっては、常に活動資金の工面に悩んでいるのが実情であります。
⇒(検討をお願いしたい提案)市の助成制度を充実するなどにより、ある程度纏まった形での継続的な助成金を予算化していただければ大変ありがたく、ご検討宜しくお願いします。
面談の結果、現在機構改革を考えているが、それまでの間は、商工観光課を受け皿の窓口とするよう申し付けるとのことであった。当然の結果とはいえ、上に立つ者は、物事の道理が分かっていると感じた。
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