12月27日
芸術フェスタ2011活動結果総括の第2弾として、今年3年目を迎えた狂言講座の活動について総括する。
先ずは、宇野公演の観客から頂いたアンケート結果を報告する。
玉野みなと芸術フェスタ2011最後のイベント「たまので狂言を楽しむ」は、11月26日(土)、玉野市文化会館で開催された。約60人の観客は、身近に観ることの出来る狂言の面白さと楽しさに大笑いされていた。
3年目を迎えた玉野の狂言公演であるが、今年から新作狂言だけでなく古典にも挑戦し、狂言の奥の深さを体験することとした。古典を観た観客の反応も、やはり古典の良さを感じておられるようであった。
狂言公演の目的は、塩田王・野﨑武左衛門の功績、玉野市に残る製塩文化や歴史遺産を、武左衛門も愛した「狂言」という日本古来の伝統芸能で市民に伝えることであり、地域に根ざした狂言が玉野市の新たな文化として定着することであった。
本アンケートの狙いは、公演を観ていただいた観客の皆さんにその評価を仰ぐとともに、上記目的に賛同できるものかどうか、又狂言講座への参加希望についても確認し、狂言に対する興味の深さを調査することである。
結果的には、古典狂言にも大いに興味を抱いていただき、古典のレパートリーをもっと増やしてほしいという要望が強く、我々が目指した方向が肯定された形となった。又、玉野の歴史や文化を狂言で残してゆくことに対する賛同者も相当にあることが分かった。しかし、講座への自らの参加については、今回、消極的な方が大部分であった。
今後の方針については、本アンケートの結果も参考にしながら、企画検討会及び実行委員会の中での充分な議論並びに講座生の意向などを踏まえて策定してゆくこととしたい。以下、設問ごとに各回答結果を考察する。
A. 住まい(どの地域から来られたのかを確認)
会場が文化会館ということから、宇野・築港地区からの観客がどれだけ居られるかを尋ねたが、玉野市全域から来られていることが分かった。今回は、市外からの観客は全く無かった。入場無料としたことから、誘いを掛けるとか広報が不十分になったのかもしれない。
B. 観覧回数(これまで何回観られたのかを確認)
2回目が最大で43%、次に初めてが38%であり、複数回観られた方は62%だった。複数観覧者の大多数は、玉野狂言のリピーターであろうと思われるので、その方たちに今後ともリピーターであり続けていただけるような努力が欠かせないことと考える。
C. 公演を観ての感想(全般的な印象を確認)
分かりやすく親しめたが54%、大変面白く大いに笑えたが45%を占め、両者を合わせて99%もの多数が、狂言を面白く親しみやすいものに感じていただいた。逆に、期待したほど楽しくない方は0だった。これは、狂言を今後もずっと続けて欲しいと言う、鑑賞者の意思の現れであろうと考える。
D. 小名狂言「口真似」をどう感じたか
古典のレパートリーを増やして欲しいが68%、古典は面白いが49%を占めたことは、古典狂言の面白いことが認識されたものである。僅かだが、古典だけの公演を観たいとの声もあった。
狂言の底の深さを学ぶためにも講座生のレベルアップを図るためにも、今後とも古典狂言のレパートリーを増やして行くべきであろう。
E. 新作狂言「野﨑武左衛門」をどう感じたか
玉野の歴史や伝説を伝えることは良いが57%、新作狂言も面白いが49%あった。又、武左衛門の功績が良く分かると、以前より面白かったにも多くの方が賛同されていた。これらの結果から言えることは、これからも「野﨑武左衛門」を地域の狂言として継続すべきであるし、新たな玉野の創作狂言を作ることも検討すべきと考える。
F. プロ公演の有無への意見
プロの公演を観たいが51%あった。一方、プロの公演がなくてもよいと、講座生だけの公演でも入場料を取ってよいが同数で32%あった。やはり本物の狂言を観たいというのが本音かもしれない。
又、講座生だけだから無料にするというのは、講座生の努力や演技を過小評価したものであり、入場者数が寧ろ少なくなることにもつながると言えるのかもしれない。今後よく検討すべき課題である。"
G. 参加希望は?(狂言の会への参加の意向を確認)
狂言は観るだけでよいが78%を占め、入りたいとは思うけどという消極的参加希望が僅か11%と、狂言の会への参加希望は、今回の調査では殆んどなかった。今後、会への参加メンバーを増やすためには、個々に当たって行くしかないと考える。
H. 意見や希望(回答結果のP.4参照)
I-1. 年齢(どのような年齢層が多いのかを確認)
60歳代54%、70歳代27%、80歳代8%、50歳代5%の順で、40歳代以下の回答者は0だった。
I-2. 性別(入場者の男女比率を確認)
女性65%、男性30%だった。
I-3. 連絡先(差し支えない方に記載していただいた)
27%の方に氏名/住所の記名があった。
(意見及び希望)
1. 出演者の努力に感激している。大変上達している。
2. 玉野で狂言を楽しむ会を何度でもして下さい。
3. 関係者の方は、当初は大変ご苦労があったと思われ感謝しております。山田地区の地元でもあり、斉藤会長以下清水先生にも熱心に牽引していただき、地元やまだの人も野﨑武左衛門及び浜子唄もよく取り込まれ、玉野市の古からの塩産業の歴史も見ると共に、先輩の偉業にも敬意を表します。山田快上「しおさい」の改築の関係者として大変嬉しく,今後も玉野市の活性化の一助としてご苦労とは察しますが、お願い申し上げます。
4. 笑いの練習も良かった。昨年と同じだが、今回は楽しかった。
5. 能に比べ狂言は解りやすく親しみやすい。たのしく語りにも入り込めます。テレビでの鑑賞よりも身近に思いました。又の機会をたのしみに致します。
6. Sさん、Tさん、本日はおめでとうございました。定年以降の生きざまとして地域の活性化等に取り組んでおられお元気そうで何よりです。小生も完全リタイヤが近いですが、まだ見出せていません。本日の狂言、楽しく鑑賞させていただきました。所作、声量素晴らしかったです。
7. 段々上手になっていらっしゃいます。
8. 玉爺が出てしゃべる時と前に出ている人との声がダブって聞きとりにくいところがあった。講座生、それぞれよく練習し、声も良くとおって良かったと思います。
9. 狂言独特の歩き方、発声、どれも良く練習されていると思いました。野﨑武左衛門の業績を狂言で表現するというのも山田らしい文化だと思います。これからもますますご活躍されますよう願っています。私も玉野観光ボランティアガイドをしています。山田の町ますます好きになりました。ガイドのときに、皆様のこと是非話をしてみたいと思います。
10. 山田中学生を中心にした狂言を見たい!!
11. 大変楽しく見させていただきました。又見たいです。今後も続けて活動して下さるよう期待しています。
12. とても感動いたしました。ありがとうございました。
今年は、5月に開催した児島迨暇堂公演において、倉敷市長を始め児島の方々に狂言という形で武左衛門の功績をお伝えすることができ、非常に意義ある年だった。その後、古典狂言にも挑戦し、僅かではあるが、講座生の芸の幅を広げることができたと思う。
来年度以降の狂言の進め方については、上記アンケート結果を参考にしながら検討してゆくこととするが、古典の勉強の継続と新たな創作狂言の制作が欠かせないと思うし、講座生の確保も図る必要があると考える。
(写真説明)
会場の玉野市文化会館バウハウスで、舞台&客席配置準備中の講座生
第1部の古典狂言「口真似」の一場面
第2部新作狂言「野﨑武左衛門」の一場面、福の神を呼び出すために豆を撒いている。
終了後、スタッフとともに記念写真
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