12月29日
先ほど、南北楽観主義を支えてくれた方たちの声を紹介したが、締めくくりに9月19日に行った、作家たちとの反省会メモを紹介する。一部先ほどの声とダブる部分もあるが、来年に向けて貴重なメモなので、紹介しておきたい。
【南北楽観主義‐せとうち‐】を終えて~反省会メモ(報告)
(文責:芸フェス実行委員長/斉藤)
1. 開催日時:2011年9月19日(月)19:00~21:00
2. 開催場所:sottoprodotto
3. 出 席 者:山田(司会)、三宅、笹川、千葉、凡土、清水、森、斉藤
(欠席者で意見提供者:加藤、勝木、あきやま、平岡、大前)
4. 概 要:
今回開催した宇野・高松アーティスト交流・交換展【南北楽観主義-せとうち-】は、玉野みなと芸術フェスタ実行委員会として初の試みであったが、出展いただいた作家の皆さん方や運営に関わっていただいた高松丸亀町商店街進行組合の方々のご協力で無事終了することが出来た。
そこで、今回の展覧会に出展された作家の皆さん及び運営に携わっていただいた皆さんにお集まりいただき、夫々の立場で率直な感想、良かった点、運営上の問題、今後の活動への意見などを語っていただいた。今日参加できなかった方には、既に頂いているアンケート結果などの意見を紹介した。
以下その発言要旨を、メモとして項目別に順不同で纏め報告する。
(1) 率直な感想
・作家としては大変満足した。
・会期がもう少し長い方が良かった。2週間くらいはあっても良かったと思う。
・高松の人がもっと観に来て欲しかった。
・いい経験をさせていただいた。
・宇野は、今までは遠い所と思っていたが、意外と近かった。1回きっかけが出来たら結構行けると思う。
・今回、瀬戸大橋で高松に行ったが、割引料金時間帯等に利用すれば、金銭的にも時間的にもストレスが少ないと感じた。
・岡山の作家は凄いと思った。
・一つ一つの会場は充実していたが、全体として「南北楽観主義」の企画コンセプトが伝わらなかった。
⇒岡山では、奈義現代美術館の副館長や作家の方々から今回の「南北楽観主義」はいい企画との声をよく耳にした。
⇒「南北楽観主義」という名称は馴染めない。難しい漢字の羅列でアートを標榜するグループとしては如何かと思うし、知人からもよく言われてない。続けるのであれば変更してほしい。という意見の一方、「南北楽観主義」というタイトルは素晴らしい。という意見もあり、評価が両極端である。
⇒「南北楽観主義」という企画タイトルについては、極端なくらいの方がいいと思い、あえて「南北」という字句を入れた漢字の名前にした。ただ、企画の名前に合った展覧会だったかどうかは疑問が残る。
⇒各作家が、【南北楽観主義‐せとうち-】というテーマを意識した作品を創ったのかどうか。
⇒テーマに対して分かりやすいコンセプトが示されるべき。
・販売する展示か見せる展示か、南北楽観主義としてどうありたいか、何を伝えたいかによって、展示のあり方が変わってくる筈。その辺も要項に盛り込んでおいたら視点の定まった見方ができ面白かった。
・今回のsottoprodottoでの展示は、いつものお客さんだけでなくアート関係者の方が多く来てくれた。今までにない空間だったので、滞在時間も長く内容への評価も高かった。
・今回イベントにしっかり参加できてないのが申し訳ない。もっと「南北楽観主義」の空気感を味わいたかった。
・交流の幅をもっと広げられるようなシステム作りが出来ないものか。小さく纏まらず、市自体の交流に発展するものになって欲しい。
・交流展は継続事業ということなので、来年以降の面白さで尻すぼみするか活気付くかが決まる。今回は失敗。芸フェス自体の魅力が薄い。次回は「南北」という言葉をもっと多角的に捉えた提案が必要。
・バウハウスは、搬入口を大きくする必要がある。空間が勿体ない。
・初めてのことで戸惑ったこともあったようだが、総合プロデューサーの必要を感じさせられた。
(2) 良かった点
・作家同士の交流が出来、宇野と高松の距離が近づいた。
・多くの人たちとコミュニケーションが出来た。新しい作家、宇野の人と交流できた。
・良い作家との出会いは、自分を刺激します。
・台風によるトラブルにも気持ちよく対応していただいた。
・宇野側の細やかなサポートが嬉しかった。搬入、搬出の応援が大変助かった。
・芸術を通じた地域貢献が出来る可能性が見えた。
・宇野は、海が近いのが気持いい。
・食事補助券もありがたかった。
・辻褄について墨(ぼくてき)で書かせるコーナーは、辻褄について考える時間が出来面白かった。
・車座談義では、お互いの活動状況を聞くことが出来た。
・これまで玉野の作家だけの展覧会(一時期岡山県内を含む)が続いたが、今回県外作家との交流が出来たことは、南は高知、北は鳥取など、より広い範囲の南北交流のきっかけになって良かった。
・岡山の作家や芸フェス実行委の皆様と出会うことが出来嬉しく思う。
・宇野という場所も少し垣間見ることができたし、又普段に行きたい場所になった。
・サンコアに展示したあきやまさんについて、彼の本領が発揮できてなかったのではないかと心配されたサンコアのオーナーの計らいで、来年3月あきやまさんの個展をサンコアで開くこととなった。
・カフェZのオーナーも観に来られて、評判が良かった。
・アーティストが協働して一つの空間を作る心意気を知ることが出来て嬉しかった。
(3) 運営上の問題
・WEBによる情報発信が不十分で、公式HPを作る必要を感じた。
⇒展覧会場風景の掲載、イベントの告知。最も大切なポイントであり専門的にやる人が必要です。
⇒芸フェスの公式HPがあれば、開会式延期の通知もよりスムーズに広報できたと思う。(BLOGでの広報はあったが。)
⇒台風による影響は仕方ないことだったが、開会式延期の決定と通告が遅過ぎた。今回、自然災害の影響を考慮していなかったが、今後は、考慮に入れておくべきである。
・広報をどこまで積極的に行うか。今回は不十分だったと思う。
⇒新聞、地域新聞、テレビ、ラジオ、情報誌、美術手帳、美術館、画廊関係など、直接出向くぐらいでないと簡単に載せてくれない。
⇒一般の人にとってなぞに満ちたアートの世界に一歩足を踏み入れてもらうには、メディアを上手く活用して情報や素性をオープンにするべき。プレスリリース
⇒山陽新聞玉野圏版の記事は駅東のみで、サンコア、バウハウス、ソトプロの記事がなかった。
⇒各作家が知っているメディアの人脈などを紹介し合えたらいいと思う。
・チラシが、アートという感覚ではなく、観光案内なのかというイメージがあった。
⇒+DMがあった方が効果的だったのではないか。
⇒サンコアさんには固定客が居られるので、「サンコア独自のDMがあれば来客ももっと多かったし、販売にも繋がった。」と言われていた。
⇒ギャラリーの場所が分かりにくかった。詳細マップ(駐車場併記)があった方が良かった。
⇒高松だけのチラシがあってよかったと思う。
⇒高松では、実行委員会のチラシを1,000部頂き商店街のラックに入れておいたが、余り取られていなかった。美術館などにも送り、アート関係者にも見ていただいた。
⇒宇野側では、岡山のギャラリー、玉野市の公民館などに置き、実行委員会関係者に配布した。
・宇野側のスタッフが不足して、作家自身が会場当番をせざるを得ない状況だった。
⇒今の玉野のスタッフ数では規模が大き過ぎた。3箇所の会場に十分な対応をするには、スタッフの絶対数が不足しており、玉野側のスタッフ組織を充実させる必要がある。
⇒高松側については、高松に任せっきりだったが、事前の確認や展示を含め、一つ一つの会場の管理をもっと丁寧に見るべきだった。
⇒もっと早い段階で分かっていれば、高松側のスタッフを活用できたかも。
⇒今回は同時開催としたが、時期をずらすとか隔年単位で会場を変えるとかも考えたらどうか。
・各会場の会期の初めと終わりを揃えるべきだった。
⇒アートマルシェの開催に合わせるということが決まった段階で既に2ヶ所の会場(バウハウス&サンコア)では先約があった。アートマルシェの開始時期に合わせる必要性(理由)は何だったのか。
⇒sottoprodottoは丸亀町のギャラリーなので、商店街としては、人の流れを作るということから、一体的な開催とせざるを得なかった。又、広がりを持たせることも必要で、常に集客も求められる。
・作家へのフィーについては、当初お互いが夫々に負担しあうことで合意したのだが、出展作家に対して本当にそれでよかったのかどうか。
⇒作家に謝礼が出るような展覧会システムを構築して頂きたい。作家はもっとプロ意識を持つべき。
⇒企画書をキチンと書き評価を受けたら、予算は商店街振興組合から出して頂けるが、予算書の提出時期の問題もある。今回は1月26日に宇野側から最初の提案・打合せを行い、高松側から好反応を頂いたが、第2回打合せが4月8日となり、時期的に遅かった。
⇒準備は早い方が良い。今後継続するとすれば、新たな実行委員会を立ち上げるのも検討すべき。
・作家への対応、受け入れ態勢
⇒高松では、宇野側の作家に対してご迷惑を掛けて申し訳なかった。
⇒自然災害によるフェリーの休止や瀬戸大橋の通行止め等、想定内で考えて欲しい。宿泊スペースの確保、風呂、布団、トイレ、ホームステイスタイル等も。
・イベントへの参加が得られる工夫が必要。
⇒文化協会、教育委員会等他の団体やグループとの連携。
⇒スタンプラリーや宇野の街を歩いてもらうような工夫。
⇒街がアート展開催を知らない人が多いと感じた。
⇒街全体を巻き込む位でないと街は応援も協賛もしてくれない。
・各会場の作家さんの経歴、ポートフォリオ、価格リストが初日に出来ていなかった。
・アンケート用紙も最初から準備しておくべきだった。
(4) 今後の活動に向けて
・楽しく観るための工夫として、初めのオープニングパーティと最終日のアートクルーズ、車座談義、クロージングパーティだけだったが、途中にもワークショップ等のイベントがあった方が良かったと思う。
⇒地域や子どもたちを巻き込んだワークショップ、滞在制作なども検討したい。
⇒子どもも参加できるような展覧会。ワークショップ、1日先生など。
・玉野と高松が混ざり合うといった形のイベントにしたい。
⇒例えば、フェリーで何かをやるとか、多くの人が楽しめるもの。
⇒作家も主催者も街の人も満足できるようなもの。
⇒フェリー内にも何らかの仕掛け(ライブなど)があると楽しいかなぁと。
・続けることが大事と思う。今回の交流展の継続を望む。岡山と香川の「食」の交流も楽しみたい。
・毎年ではなくても南北楽観主義を定期的に続けていって欲しい。又、岡山と香川だけでなく、毎年近県を一つずつ増やしていっても面白いかと。
・会場も、sottoprodottoだけでなく、市美ほかの施設も紹介することが出来る。
・今後も全国各地のアーティストを招待して、玉野とアートをリンクしていけばいいと思う。
・2012のテーマ「同世代に生きる」
⇒アートデート、宇野でアートピクニック、宇野でアートジェネレーションなど。
⇒バーチャルではない心のアートコミュニケーション
・宇野港周辺を歩き回ったけど、結構楽しかったから、宇野の良さを引き立てるプロジェクト!ののチャン記念館ともリンクしたらいいと思う。東江戸川3丁目!
・公開制作。アーティストインレジデンス。
以上
四国への玄関口・宇野港のフェリー桟橋から乗船する参加者たち
高松の繁華街・丸亀町界隈の夜景
sottoprodottoで行われた反省会に参加した作家たち
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