7月3日
岡山に「シンフォニーホール」という、劇場と音楽堂を兼ねたような円柱形のホールがある。先日の日曜日(2007年6月10日)、イングリッド・フジ子・ヘミング&リトアニア室内管弦楽団の演奏会があり、聴きに行った。初めて聴いたフジ子・へミングのピアノに痺れた。鳴りやまぬ大拍手の中、アンコールの3曲目に彼女が弾いた“ラ・カンパネラ”は凄い曲だ。後で聞くと、初のCD「奇跡のカンパネラ」で大ブレークしたその曲だった。
日本人ピアニスト大月投網子とスウェーデン建築家J・J・ヘミングを両親にベルリンで生まれた彼女、6才から母の教えでピアノを始め、小学生の頃から天才少女と騒がれていたとか。東京音楽学校(現・東京芸大)在学中から数多くの賞を受賞、30才でドイツ留学、ベルリン国立音楽学校を優秀な成績で卒業してからはヨーロッパに在住、演奏家としてのキャリアを積む。順調な活動が続いていたが、風邪が原因で両耳が全く聞こえなくなるという不幸に見舞われた。1995年、母の死を機に帰国、「平凡なピアノ教師のままでは終わりたくない。もう一度人生を取り戻したい」と、1998年、母校芸大の上野奏楽堂で再起。1999年2月、NHKのドキュメント番組「フジ子~あるピアニストの軌跡~」が大反響を巻き起こした。同年8月、デビューCD「奇蹟のカンパネラ」は、54万枚を売り上げ、日本ゴールドディスク大賞 クラシック・アルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞。その後演奏活動を本格化、今もフジ子へミング・ブームが続いているのだ。
演奏会の入場券13,500円も安いと思わせる力強さと感動があった。でも、私の前の座席で、小学生の子ら3人を連れた若い夫婦にとっては、どうだったんだろう?
5人分67,500円かー!
魅力というのは、ほんとに人を感動させる。
今、職場を離れたいという職員が続き、喘ぎもがいている。何故?何故何人もの人が離れたいと思うのか? 創業以来、初めて改善、改革に手を染めたばかりというのに・・・
離れたいと思う人の多くは、この組織に魅力が無い、或いは少ない、と感じているのだろうか。私は、「前は確かに魅力が無かった。でも、今は素晴らしい組織だよ。」と、皆で言い合える、そんな職場に1日も早くなって欲しいと願っている。
世間では、今年(2年前のこと)、多くの企業が黒字決算を果たした。中には、顧客を無視した身勝手な行動で身売りの憂き目にある会社もあるが、儲かっている会社の大多数は、顧客満足度(CS)向上を謳っている。CSが評価され、製品が売れ、利益が上がり、社員に還元する。だから、社員は会社を辞めず、品質・CSとも益々上がる。いい方向の循環だ。
この職場もかくありたいと思う。去年から今年にかけて、企業理念を作り、組織を確立し、就業規則を改正、勤務体制も整備した。形はそれなりに整ってきた。でも、形を構成する個々人の意識レベルはどうか。一つ一つの核が強固で高いレベルにあれば、組織は強固で揺るぎないものとなり、職場の魅力も確実に上がってくるに違いない。
モチベーションを高めるためのインセンティブ(意識を変える誘引となるもの=報酬等)は、勿論大きな要素だ。権限委譲も解決策の一つ。それともう一つは教育の充実。今年は、これらのことに心を砕き、みんなと一緒に和を持った魅力ある職場を作って行きたい、心からそう思っている。今、この職場を離れてしまっては、きっと後悔する。残って皆と戦えばよかったと・・・。
感動は、努力の後についてくる。今諦めるのは、いかにも勿体ない。
2年前に考えていた魅力ある職場作りの精神は、その後の定着率の改善や職員の態度から間違いではなかった、と感じている今日この頃である。
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