2011年4月30日土曜日

自啓ノート(15) ~高齢者の健康管理~

4月30日

今や、全く話題になることのない「後期高齢者医療制度」について紹介し、医療費負担の高額化という観点から高齢者の健康管理の重要性について考えてみたい。

平成20年4月1日に施行されたこの制度、初っ端から「年金から天引きするとはどゆうことや!」とか「年寄りゃはよ死ねということか!」等と、凄い罵声が渦巻いていた。又、「後期高齢者」という言葉自体にも抵抗があったようで、当時福田総理は急遽「長寿」とか言い始めてお茶を濁していた。
サッキーなら、65歳以上「低高齢者」、75歳以上「高高齢者」くらしにしていたかな?低学年/高学年、低年齢/高年齢、低所得/高所得など普通に使われていて、抵抗も少なかったかも。何れにしても、75歳以上の方がかなりな高高齢者であることに変わりはない。

この制度は、元々医療制度改革の一環として「健康保険法等の一部を改正する法律」(平成18年6月公布)により従来の「老人保健法」を「高齢者の医療の確保に関する法律」とし、その内容を全面改正する中で後期高齢者医療制度を規定したものだ。高齢者医療については、長い間「老人保健法」による老人医療制度として実施されてきた。老人医療制度は、国・都道府県・市町村の負担金及び健康保険等の拠出金によって運営されていた。しかし、急速な高齢化の進展により、その財政負担が重くなってきた。それまで、被保険者の年齢や窓口負担の引上げ等を行うなど制度改正でしのいできていたが、どんどん増え続ける高齢者医療費の負担に耐えられなくなった。そこで設けられたのが、「後期高齢者医療制度」だった。
従来と最も大きく異なる点は、「老人保健法」による老人医療制度が他の健康保険等の被保険者資格を持ったまま老人医療の適用を受けていたのに対し、「後期高齢者医療制度」は独立した医療保険制度になった点だ。2枚あった被保険者証が1枚になった。被保険者資格や窓口負担は、従来の老人医療制度のままである。
この制度の運営は、財源として患者負担分を除き、公費5割、現役世代からの支援4割、高齢者自己負担1割となっている。この1割分について各人の所得に応じた額を、年金から天引きする形になった。政府のPRが不十分で、ここを責められたのだ。後期高齢者に対する医療給付と療養給付は、従来の保険で支給されるものと同じなのだ。保険料の算定は、均等頭割50%&所得比例50%で、全国平均約6,200円/月となっている。
1300万人いる後期高齢者はこれから益々増え、逆に若年者は急速に減少してくる。従って、現役世代が負担している4割の支援金は、個人の保険料自体増やされるが、そのまま4割の支援は維持出来なくなってくる。つまり将来的には、高齢者自身の保険料負担を増やさざるを得なくなってくるのだ。今でも厳しい高齢者の負担が今後益々増えてしまうことになる。勿論若い世代の負担も増え、今以上に厳しくなる。

高騰する保険料負担を減らすためには、皆が健康で病気に罹らないことだ。その対策として打ち出されたのが、40歳以上の人に課せられることとなった特定検診(所謂メタボ健診)である。これが又どうなんだとの論調もあった。保険給付がこれまでより増えるとの意見も一部にあるようだ。
思うに「皆が健康で病気に罹らなくなれば医療費は抑制されるであろう」と言いたいが果して・・・・。

2年前に後期高齢者廃止をマニフェストに掲げた民主党政権は、昨年末後期高齢者廃止法案を提出したらしいが、どうも中身は殆んど変わりないもののようだ。民主党も、75歳以上の高高齢者の医療費負担が重く、年令で区分した考えを反映すべきことにやっと気付いたらしい。

年金でかつかつの生活を強いられる高齢者にとって、保険料増額の負担は重い。できるだけそうならないためには、できるだけ病気にならないことだ。
後期~~何れ誰もが辿る道、いついつまでも自立できる健康な高高齢者を目指さなくっちゃ!

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