2009年6月15日月曜日

サッキータイム ~最後の浜子~

6月14日(日)

山田の村上さん(91歳)は、入浜式塩田労働者である浜子として、製塩作業に従事された最後の生き証人である。現在、当時の浜子で生き残った者は、他に一人もいないという。正に最後の浜子である。若いときに製塩労働で鍛えた体は、90歳を超えた今もかくしゃくとして、当時の浜作業の様子を淡々と語ってくれた。
この日、創作狂言講座(第3回)があって、狂言「武左衛門」の一場面に出てくる浜作業の実際を収録することを目的として、村上さんに来ていただいたのだ。
入浜式製塩作業は、朝4時からと午後2時ごろからがピークで、かなりきつい作業だったようだ。
潮の干満を利用して塩田に取り込んだ海水を蒸発させ、塩が付着した砂を沼井(ヌイ、コンクリート製の大きな砂桶のようなもの)に集め、海水をかけて塩を溶かしてかん水を作る。できたかん水をパイプを通して塩釜に集め、釜で煮詰めて塩を採取する。沼井で塩を洗い流した砂は、再び塩田にまいて、海水を濃縮し塩を付着させる工程を繰り返す。
下記URLに作業工程を分かりやすく図示してある。興味ある方はご参照。
http://www.jti.co.jp/Culture/museum/sio/japan/setonaikai.html

村上さんの説明の後、講座に移った。今回は、基礎練習の後、創作狂言の中の一場面である宴の席で祝いの酒を注ぐシーンを練習した。扇を使って、「ソレ、ソレ、ソレ、ソレ、ソレ、ソレ!」と注ぐ様子が何ともおかしかった。
写真は、製塩の様子を説明する村上氏、話を聞く講座生、沼井に砂を集める所作を説明する村上氏、酒を注ぐ場面の練習をする講座生。


0 件のコメント: