12月9日(水)
倉敷では、毎年2月21日~3月7日の2週間、「倉敷雛めぐり」という優雅なまつりが、倉敷・児島・水島・玉島・真備船穂の5地区で開催されている。中でも児島の野﨑邸・迨暇堂(タイカドウ)での雛飾りは圧巻だという。未だ観たことはないが、100畳敷きの大広間の四周に展示されるとのこと。中央の空いた所で、地区の方々のボランティアによる演芸なども披露されるそうだ。因みに昨年のプログラムを見ると、筝曲演奏・日舞・銭太鼓・創作舞踊・大正琴・オカリナ演奏等が並んでいる。
今日の野﨑邸訪問の目的は、来年の雛めぐりにおいて、今年山田で披露した創作狂言「野﨑武左衛門」を演じてもらえないかとの相談について確認するためだった。野﨑邸側は、ボランティア(無償)でやってもらいたい意向のようだが、狂言実施側は、プロ狂言師の監修を受けてやっていることなので、無償ではできないとの見解。
結論としては、雛めぐりの時ではなく、それが終わった後に入場料を取る(或いは、どこか大口スポンサーに資金提供していただく)形での提案をすることとなった。
このことに対して、多くの人が抱く疑問にどう答えるか?つまり、創作狂言「野﨑武左衛門」を入場料を取って公演することの意義は何かということを明確にする必要があるのであろう。以下は、その回答案である。
今年、玉野市山田で初公演された創作狂言「野﨑武左衛門」は、東野﨑浜塩田を開墾した野﨑武左衛門の功績を称え顕彰したストーリーで、経済人・文化人としての武左衛門の優れた人物像を分かりやすく表現したものである。
武左衛門の生まれ故郷である児島には、野﨑邸という彼の遺した優れた歴史遺産があり、見学に訪れた多くの観光客がその文化財に感激して帰られる。ところが実は、その遺産を遺した武左衛門という人のこと、彼が造った入浜式塩田がどのようなもので、どのような人たちがどのような気持ちで働いていたのかを知ること若しくは想像することは、実際には中々難しい。というより、不可能に近いと思われる。
今回創った狂言は、武左衛門の造った東野﨑浜塩田で働いた浜子たちが、日々の作業の中で武左衛門の業績を知らせ、入浜式塩田作業を動きで示しており、遺産を観ただけでは知ることの出来ない当時の姿を分かりやすくイメージすることができる。
そこで、児島・玉野はおろか岡山県人としても誇るべき偉人・野﨑武左衛門を称揚した創作狂言「野﨑武左衛門」を生まれ故郷である児島味野の地/野﨑邸・迨暇堂で公演することは、歴史の必然であり極めて意義深いことである。
写真は、(上)野﨑邸を守る学芸員の方たち、(下)創作狂言公演関係者
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