2011年10月15日土曜日

タマノクルーズ-たまの西海道-案内資料(6)

10月15日(土)

クルーズまであと2日。予報どおり今日は曇り空。ということは、月曜日は必ず晴れる。今から楽しみがうずうずする。
さてそこで、今日は、日比から渋川地区沖の島を紹介する。何れも楽しい話が盛りだくさんだ。お楽しみに!

26.日比観音院
日比の天神山という小山にある真言宗の寺院。寺号は與楽山常光寺観音院。海を隔てて弘法大師誕生の地讃岐が望見される。本堂には五間四面の内陣を配し、弘法大師作である本尊十一面観世音菩薩像(市重文)が厨子に納められ祀られている。この像は、50年に1度開扉される秘仏である。
はだか祭り(会陽)と言えば西大寺の奇祭であるが、元々備前地区真言宗系の寺で行われる修正会という仏教行事で、日比観音院でも伝統法会として古くから盛大に行われていた。戦時中に一時中止されていたが、戦後復興した。しかし、狭い山内での危険性を考慮し、昭和32年日比第2小学校で行われたのを最後に、観音院の会陽は途絶えた。
戦時中三井金属日比製煉所で死亡した中国人労務者25人の遺骨が、製煉所によって日比観音院と正善寺で供養されていた。昭和30年頃、「遺骨を家族に送り届ける方法はないか」との地元の人の声があり、昭和32年、中国紅十字会会長李徳全を迎えて中国殉難者慰霊祭を行うこととなった。その慰霊のために鎮魂の鐘が建立され、毎日世界平和を祈願して鳴り響いている。
写真は、観音員の本堂と毎日の時を知らせる鎮魂の鐘。

27.パンパシフィック・カッパー㈱日比製煉所
明治26年(1893)、渾大坊益三郎が日比に小規模な製煉所を創設。
同30年(1897)杉山岩三郎は規模を拡大。大正5年(1916)、鈴木商店が進出し、大規模化。昭和2年(1927)、鈴木商店倒産。
昭和11年(1936)、昭和鉱業㈱が日比製煉所を再開。
昭和17年(1942)、三井金属が昭和鉱業日比製煉所を買収、事業を継続。
昭和43年(1968)、三井金属鉱業・日鉄鉱業・古河鉱業(現古河機械金属)3社の出資によりPPCを設立。平成16年(2004)3月、古河機械金属が日比共同製錬の株式を古河メタルリソースに譲渡。平成18年(2006)4月、三井金属鉱業が日比共同製錬の株式をパンパシフィック・カッパーに譲渡。組織的には、管理部門がPPCで、製造と技術部門は日比共同製錬㈱玉野製錬所に属する。
製品の用途は、電線、伸銅品(銅管、銅屋根板)、銅合金(プロペラ、歯車、洋食器、貨幣)
ところで、PPC事業所名の「煉」と子会社の工場名「錬」の違いに注意していただきたい。何故このような使い分けをされているのか?どうしてでしょうか?
写真は、海から見たPPC。この写真は、岡本さんから提供いただいた。

28.大槌島(170.8m)
誰もが知っているおむすび形の無人島。渋川から沖合約3Km、周囲は約1.67Km。
備前の国の鍛冶屋は、日比は塩地で水も悪く、刀を鍛えるのに不適だったため、二度と刀は打つまいと決心、金床を海に投げ捨てさらに槌を二つ投げ捨てた。すると、金床はそわい(潮が満ちると海に沈む岩場)となり、遥か沖に飛んだ槌が小槌、手前に落ちたのが大槌になったという。
この辺りは、鯛、鯖、鰆の良い魚場で、讃岐の漁師と争いが絶えなかった。享保17年(1732)、大槌島の東に延びる大曾の瀬と西に延びる西の瀬(鰆大魚場)を巡って讃岐・直島漁民と備前側の日比・利生・渋川漁民が争った。讃岐・直島は全ての魚場を讃岐・直島のものとして幕府に提訴。
備前藩は、菅野彦九郎を立てて大反論をした。江戸から2名の調査官が訪れ、10名の判士(大岡越前守忠相の名もある)の裁きで備前側が勝訴、大槌の北半分が備前、南半分が讃岐となった。

29.堅場島(タテバシマ)(45m)
倉敷市児島港の湾の中央に浮かぶ、面積/0.12km2、周囲/2kmの無人島。島は平たく鯨が浮かんでいるように見えることから、地元では鯨島とも呼ばれる。以前は、管理人が住んでみかんの栽培などをしていたが、今は無人となっている。島の周辺は浅瀬の藻場となっており、釣り人も多いようである。島の所有者は、玉野市の人。
写真は、王子が岳から見た竪場島。大空に浮かぶハンググライダーとのコラボ写真は、我ながらよく撮れたと思う。下の写真は、竪場島に上陸するための桟橋。この桟橋は、からこと丸の社長が造られたとのこと。聞くところによると、今もみかんが採れるらしい。因みに島の持ち主は、宇野港土地㈱さんである。

30.祖父祖母島(ジンバジマ)
堅場島の東側に位置する小さな無人島で、海鳥たちの休憩場となっている。
誰かが言ってました。「この島は、小笠原諸島にある父島母島の親の島だ」と。
それってホント??
この写真は、大前さんの船でクルーズの下調べに行ったとき、大前さんに撮っていただいたものです。背景の大槌島とのコントラストが美しい写真です。

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