2010年9月29日水曜日

サッキータイム ~Spinnin Ronin Japan 玉野公演その2~

9月25日(土)中国武術ワークショップ

バウハウスに集まった16人の参加者は、スピニンローニンジャパンの激しい動きに何とかついていこうとするのだが、傍から見ていると中々厳しい感じであった。今回の参加者は、中国武術や太極拳などの経験者が比較的多いように見えたが、かなり大変なようであった。
今回のワークショップは1時間の設定だったが、それが限界のようであった。リーダーの加世田剛氏がいうには、今回の動きは基本中の基本で、自分の持つ全ての技の1%くらいだという。どれだけ奥が深いのか・・・

ワークショップ終了後、翌日公演のためのリハーサルに入った。夜6時半から9時半までの3時間、照明と音響合わせを行いながら、みっちり本番練習を重ねられた。
会場は、昭和47年に造られた玉野市総合文化センター大ホールである。田舎のホールにしては、客席278席で舞台も広く、それなりに評価できるホールである。ところが、照明設備も当時のそのままが今も使われ、全国的にも僅か5台しか残っていない歴史遺品的設備である。
照明を担当したのは、実は大阪の比較的大手の照明会社でスタジオ照明を担当している我が息子で、今回の設備は初めて触ったという代物だそうだ。彼は、当初加世田氏が指示した照明計画は実現できそうにないと焦っていた。スピロニメンバーがワークショップをしていた間も、照明設備をああでもないこおでもないといじくりまくり、何とか感触を掴んだようであった。
それでもリハーサルでは、比較的スムーズに息が合った照明ができていた。ただ、調光装置なども大きなレバーで電圧調整するようなタイプで、1人で大丈夫かなというものだっただけに、我が息子ながらよくやったと思う。アシスタントとしてピンスポットを担当した森さんは、中々呑み込みが早いということで、非常に助かったということだった。森さんありがとう!


9月26日(日)Spinnin Ronin japan玉野公演

酷暑の夏に稽古に励んだスピロニ公演の本番が始まった。ダイナミックな彼らの演技は本物だ。絶対的なプロ集団である。日本では、必ずしもメジャーなジャンルでないため今現在では多分有名とはいえないが、このグループは必ずや大化けするであろう。
「人と人とのつながり」、「人と地域とのつながり」を基本コンセプトに活動する芸術フェスタが、玉野の中だけでなく東京という地域とのつながりができたことに、一つのエポックが生まれたように思う。今後芸術フェスタが玉野だけでなく、多くの地域と人とのつながりが生まれ、より広範囲にひろがることを願う。
別れの前に瀬戸内の美味しい魚で打ち上げを行い、万歳三唱ができたのは、皆が一体となって成し遂げた喜びの表れだったと思う。記念写真の顔も皆喜び一色であった。

29日の山陽新聞玉野圏版に、彼らの舞台が大きく報道されていた。

2010年9月22日水曜日

サッキータイム ~Spinnin Ronin Japan 玉野公演その1~

9月22日

マーシャルアーツ・ダンスパフォーマンスグループSpinnin Ronin Japan は、コンテンポラリーダンス、ストリートダンス、様々な格闘技の技術を用いて、ヒューマンドラマを展開していく。アクション、ダンス、ドラマが複雑に混ざり合い調和するその斬新な振付は、国外で大きな評価を得ている。ラママシアターやジョイスソーホーなど、ニューヨークの有名劇場で公演。ニューヨーク・タイムズ紙でも、「コメディアンからシリアスまでspinできるカンパニー」と評されている。

玉野みなと芸術フェスタ2010では、今回、9月26日(日)14時半から玉野市総合文化センターでSpinnin Ronin Japanの玉野公演を開催することとなった。公演は2部構成となっているが、その概要を以下紹介する。

第1部 「Art of Combat」(40分)
中国武術のパフォーマンスであり、Spinnin Ronin Japan の代表作の一つだが、今回の玉野公演に合わせて芝居仕立てに作り上げた。
ストーリーは、座長/加世田剛のニューヨークにおける武術人生である。戦わない武術“wushu”は、格闘技なのか・・、何の役に立つのか・・・美しくてか弱き武術家達が織りなす、感動の物語である。

第2部 「Holy Hand」(40分)
1990代初頭のバブル時代の日本将棋界の話である。「将棋」という、舞台に上げてもとても地味なものを、体を使って豪快に表現する。

CAST  加世田 剛  榎本 鉄平  横山 真希  誉田 靖敬  林 隆志

Spinnin Ronin Japan 座長/加世田 剛プロフィール
1995年、単身ニューヨークへ渡米、シアターやモダンダンスをニューヨーク・リーマン大学で学ぶ。
以来15年間、ニューヨークを拠点に活動する。護身のためと始めた中国武術が開花し、全米武術大会で3度の優勝経験を持つ。
2001年には、劇団『Spinnin Ronin』を旗揚げし、自らも出演する。一方で、脚本、演出を手掛ける。 同劇団は、『Joyce Soho』、『Lamama Annex』、『Japan Society』、『Sent Marrks』、『Church Theater』他、数々の有名劇場で公演。New York Times紙「コメディからシリアスまでSpinできるカンパニー。次の彼らのSpinが待ち遠しくてたまらない。」 New York Attitude Dancers Magazine「彼らは、生きるアニメだ。」など、たくさんの新聞、雑誌に取り上げられる。
個人活動としては、英国版子連れ狼『Deadly she Wolf』の殺陣師音楽家で演出家でもある故Harry Patch氏「1901-1974」の作品を甦らせる運動を振付師として参加。アクターのための中国武術スクールをオープン。2008年まで、地球の歩き方、ポケットニューヨークに紹介される。
2009年、東京でSpinnin Ronin Japanを立ち上げ、現在に至る。

Spinnin Ronin Japanが目指すもの
ダンス、芝居、格闘技、コメディ要素から発するエネルギー。今までに見たことも無いようなムーヴメント、個性溢れるキャラクター・パフォーマーが一番輝ける瞬間を演出し、多方面のメディアへと出演者を導いていく。Spinnin Ronin Japanは、そんなエンターテイメント集団を目指している。

前売りチケット:大人1,000円(当日1,200円)、高校生以下500円(当日800円)

尚、公演前日夕方(9/25(土)16時半~17時半)には、彼らの指導による中国武術指導のワークショップが、玉野市文化会館BAUHAUSで開催される。参加費500円1ドリンク付き。

写真は、山陽新聞の紹介記事、公演(9/26)&ワークショップ(9/25)のフライヤー

2010年9月20日月曜日

サッキータイム ~芸フェス2010「軒先計画(NOKISAKI Plan)」~

9月4日

この日から、「玉野みなと芸術フェスタ2010」の町なかアート展「軒先計画(NOKISAKI Plan)」が開幕した。
観て楽しく人を導くような作品を宇野港~商店街等へのルートの軒先や店舗に展示し、散歩がてら訪れる観光客や地域住民とのコミュニケーションを図る交流空間とする。展示された場所や店舗空間において、作家又は作品と鑑賞者との間に相互のコミュニケーションが生まれ、作家と鑑賞者とが心と心を通わせる空間ができる。そのような空間を今年から数年かけて、この地域に創ってゆけたらと考えており、これを「軒先計画(NOKISAKI Plan)」として進めることとした。
「軒先計画」を開催することで、以下のようなことが期待できると考える。
①フェリーターミナルの一角や店舗の軒先などであれば、いつでも誰でも鑑賞可能であり、外部からの人の誘致が容易となる。又、作品の追加が容易で地域の反応や要望を追加できる。
②作品を意図する方向に展示することにより、展示の流れに沿って歩いて行けば、コミュニケーションの場・交流の場としての交流空間に誘導できる。
今年、アートの島・直島とその周辺の島々で開催される「瀬戸内国際芸術祭」は、9月20日現在既に40万人以上のアートファンが世界各地から訪れている。正にインターナショナルなアートイベントだ。通過点の宇野港においても、これらの人々と接点を持つ場を作れればと思う。アートの島を訪れる人々と心を通わせる「軒先プラン」は、今後数年間継続実施することで計画している。
「軒先計画(NOKISAKI Plan)」のオープニング作品は、美術家/清水直人氏の作品「Migratory Bird → LIFE」で、9月4日から築港商店街に展示を始めその後も順次増やしてゆく。宇野港域のパブリックアートを鑑賞しながら、「軒先計画(NOKISAKI Plan)」を楽しんでいただきたい。
スタート日の9月4日には、過去の芸フェス関連資料を展示したバウハウスに於いて、清水氏のオープニングトークで軒先計画の意義などを話していただいた。その後、オープニングパーティを行ない、アート談義に花を咲かせた。