2012年1月3日火曜日

当作歩方制の本質

1月3日

今日は初始動で、瀬戸大橋CCの新年杯に出かけた。
パートナーの一人は、HC3の超ベテランで、彼にスイングの極意を聞いてみた。
彼によると、インパクトの瞬間に手の位置がアドレスした時の状態に戻るのだという。それに対して、サッキーの場合は、体が開いてしまっている(先に回ってしまっている)から、そこで球に当てようとすると、どうしても体が球から離れてトップしてしまう傾向にあるのだという。相当に練習しないと直らないのだろうが、今年も100を切るのに苦労するのかなー、、、

さて、今日も武左衛門の話の続きだが、今日は彼の残した優れた経営手法である「当作歩方制」についてだ。初めて聞いたときには、聞きなれない言葉で何のことかサッパリ分からなかったが、平たく言うと、自作農的小作請負制度とでもいうことであろう。頑張れば頑張っただけ収益が得られ、塩田の持ち主である武左衛門にもそれ相応の収益が来るという上手い考えの制度である。

当作歩方制の本質

野﨑丹斐太郎所有ニカカル入浜塩田経営ノ組織ハ、普通自作ノ如ク所有者ニ於テ直接製塩事業ノ衝ニ当ルコトナク、別ニ製塩事業ニ関シテハ浜店ト称スル特殊ノ機関ヲ設ケ、事業ノ管理・事業用品ノ供給及各浜ノ収支計算ヲ所管セシメ製塩作業ニハ当作人ヲシテ之ニ当タラシメ、毎塩戸当作人ヨリ小作料ヲ徴シ、製塩上必要ノ材料ハ浜店ヨリ供給シ、各浜毎ニ毎年度収支ノ決算ヲ行ヒ、其損益ハ当作人之ヲ負担シ、浜店勘定ノ収支決算ノ結果ヲ野﨑本店ノ計算ニ移シ、尚各塩戸ノ純損益ハ一定ノ歩合ニヨリ地主及当作人之ヲ分担スルノ組織ナリ
(右のように指摘した経営組織が「当作歩方制」であり、野﨑家自体はその当作歩方制の本質を次のように評価していた。)
本経営ノ本質ハ単ニ製塩免許ヲ地主ノ有スルコトヲ以テ自作ナリト断スル能ハサルト同時ニ、定額ノ小作料ヲ納ムルノ所以ヲ以テ直ニ小作制ナリト判定スル能ハス、能ク其ノ経営ノ沿革及実態ヲ考査スルニ、正ニ自作ト小作ヲ折衷シタル特種ノ形態ニシテ両者ノ長ヲ採リ短ヲ去リ能ク之ヲ調和シタル制度ナリト謂フベシ、即チ農家経済上ニ所謂分益農ニ類セルモノニシテ分益共作制度ト謂フベキカ

(※)「塩業に関する諸取調」(明治31年)、「野﨑式塩業之大要」(明治末年)

今では、企業側と労働者側は互いにWIN-WINの関係というのは当たり前のことであるが、当時としては画期的なことだったのであろう。何事も時代の先端を切ってやることは、成功の秘訣なのかも。


東野﨑浜に連なる遺構の説明とそのポイントを示したマップを紹介する。
かつての浜子たちは、これら遺構を使いながら塩の製造にかかっていたのだ。

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