2011年4月14日木曜日

サッキータイム ~玉野みなと芸術フェスタについて~

4月14日

このBLOGでは、玉野みなと芸術フェスタのことについて、いつも詳しく書いているので今更の感じもあるが、今年も新年度を迎えたことだし、今日は芸術フェスタのこれまでの経緯や今後の計画案などについて改めて紹介したい。

1.活動の目的
玉野みなと芸術フェスタは、地域の歴史や文化とアートを融合し地域の個性と魅力を引き出すことにより、地域住民とのCommunication(交流と共感)、Common(文化の共有)、Comfortable(寛ぎと楽しみ)を得ること(3Com.の実現)を目的に活動してきた。
この活動は、過去8年間、宇野・築港地区(宇野港域)と山田・東児地区(東街道域)で行ってきたが、今年は、玉野における芸術文化活動の面的拡がりを目指し、日比・渋川地区(西街道域)での活動を加え、「アートシティ玉野」の実現に向けてその端緒を開くこととしている。
活動の具体化のために、アート作品又はアーティストの芸術的視点からの提案を積極的に取り入れ、歴史や文化をベースにした現代的な芸術活動を進める。芸術フェスタは、このような進め方に基づく活動を継続することによって、地域住民が自分たちの地域に対する新しい価値の発見、観光資源の発掘、住民同志や観光客との交流等が生まれ、地域活性化に繋げることを目指す。
経済的側面からではなく、文化的側面から地域にパワーを生み出すことを基本理念として活動する。

2.これまでの活動概要
2003年(平成15年)に、環境芸術彫刻家/八木マリヨ氏の指導でスタートした芸術フェスタは、2006年迄の4年間、宇野港を魅力的な芸術港として全国に情報発信すべく、宇野港界隈で開催してきた。
2007年からナビゲータとして参加した美術家/清水直人氏の、地域の歴史・文化に根差したアート展開を行うべきとの指導の下、塩作りの里・山田地区に残る地の歌「浜子唄」のライブ演奏、築100年を迎えた味野専売支局山田出張所遺構のリノベーション等、2年間は山田地区(東街道域)のみでの活動を行った。
東街道域では、地域住民の方々とともに、地区に残る塩田の遺構、由緒ある神社・仏閣、芸術的な獅子舞の紹介など地域の文化資産の掘り起こしに貢献してきた。これらの歴史ポイントを散策ルートとして紹介すると、その魅力が観光コースの一つともなって観光協会の産観美ツアーなどにも取り入れられた。
又、東街道域は、それまで玉野市民の目が余り届いてこなかったということから、地域の方の要望により、宇野港から山田港を結ぶ「学びと遊び」をテーマにしたクルーズを企画することになった。この企画については、地域の方々や企業を始めとした関係の人たちに大変お世話になり、感謝に堪えないところである。
今年5月、迨暇堂で公演することとなっている新作狂言「野﨑武左衛門」は、東街道域での歴史・文化を研究する中で、当地区の傑出した人物である野﨑武左衛門の業績を、狂言という日本の伝統的芸能表現で残してゆこうと、2009年に狂言講座を立上げスタートしたものである。さらに、狂言講座では、玉野市の様々な歴史・文化を伝えるための手段の一つとして、この狂言を今後とも継続してゆきたいと考えている。
2009年、宇野港竣工100年の節目の年となったことから宇野港界隈での活動を再開、第1期を宇野港域、第2期を東街道域で開催、夫々で地区の歴史・文化に根差したアート活動を展開した。昨年は、直島を中心とした瀬戸内の島々で国際芸術祭が開催されたこともあり、宇野港域でのアート展開を継続することとした。宇野港域では、現在進められている玉野市中心市街地活性化協議会活動にも呼応して、今後とも継続することとしている。

写真は、2003年度に開催したフェスタにおける、八木マリヨ氏の指導による「縄柱モニュメント」建立のファイナルセレモニーの風景である。縄柱は、高さ10m、直径1.3mの巨大なものだ。1万枚の木綿のTシャツで作った縄柱のファイアーアートは、荘厳なもので今も記憶の中に鮮明に残っている。


3.今年度の具体的な活動内容
東街道域では、地域の歴史・文化を楽しく学べるイベント「たまの東街道2011」として、歴史探訪ラリー、浜子径散策ルート作り、玉野に因んだ新作狂言第2弾の公演等を開催する計画を立てている。
宇野港域では、長期的なアート展開としてのまちなかアート展「軒先計画」を継続するとともに、玉野ならではのアートイベントとして、高松アーティストとの交流・交換展「南北楽観主義~せとうち~」を開催する。
西街道域では、地区住民を中心にしたまちづくり講座を立ち上げ、地域の歴史や文化遺産を調査して歴史散策マップを作ることとする。又、「タマノクルーズ西海道」を開催し、西部地区の魅力を広く共有したい。
「アートシティ玉野」の実現にはまだまだ遠い道のりではあるが、活動の基本は、地域の歴史や文化と融合し地域の個性と魅力を引き出すことであり、地域住民とともに歩む姿勢を今後とも貫いてゆきたいと考えている。

4.期待する効果・成果
東街道域での活動は、今年5年目を迎えるが、最大の拠点である旧味野専売支局山田出張所の登録有形文化財への指定申請書が今年正式に提出される予定であり、歴史探訪ラリー、浜子径散策ルート作り等を実施することにより、地区の歴史・文化をさらに深く学び、地区への愛着を深めることが期待される。
現在、玉野市で議論されている中心市街地活性化協議会の話題の中心は、宇野港域への回遊人口の増加であり宇野港界隈の賑わい創出である。その一つとして、アートを軸とした活性化も種々議論されている。「軒先計画」の継続や玉野ならではのアートイベント「南北楽観主義~せとうち~」が、宇野港域での3Com.の実現に貢献し、この地区におけるコミュニティの輪の拡がりが期待される。特に南北楽観主義の開催は、作家同士のコミュニケーションや連携による、新たな芸術表現が生まれることが期待される。
西街道域での活動開始は、玉野市全域をアートなまちにという、芸術フェスタ活動の最終的な目標である「アートシティ玉野」の構想実現に欠くことのできないプロセスであり、その足掛かりとなることが期待される。
総括的には、地域の歴史・文化と融合したアートを展開することにより、新たな文化的価値を地域に付加し創造する力となり、地域住民が自分たちの地域に対する新しい価値の発見、観光資源の発掘、住民同志や観光客との交流等が生まれ、地域活性化に繋がることが期待される。

5.活動資金及び活動組織
この活動は、当初(2003年度)、宇野港再開発事業の一環として、国からの補助事業としてスタートした。翌年(2004年度)も、県及び市からの補助事業として開催された。しかし、2005年度以降、行政からの支援が皆無となり、活動の継続自体も危ぶまれたが、財団等からの助成を受けるとともに、市内の各種団体・法人及び個人からの心温まるご協賛を得ることによって、これまで8年間連綿と継続することができた。
予算規模は、当初2年間は500万円規模だったが、自主財源となった3年目以降は、150~200万円規模で運営してきている。芸術フェスタでは、多くの方々にアートの楽しさを満喫してもらえるよう、比較的多彩なイベントを開催しているが、活動の大部分はボランティアで運営されている。
そのような状況から、本活動の継続には、理解ある多くの団体、法人及び個人の皆様方に、今後とも継続的なご支援をお願いしなければならないと考えているところである。
活動のための組織は、市内各種団体及び有志の方々からなる実行委員会を設け、少なくとも年に1回の実行委員会を開催して、皆様から貴重なご意見を拝聴しご意向を確認させていただいている。具体的な計画遂行については、企画部会、広報部会、財務部会等の実務部隊による機動的な活動で運営している。

6.次年度以降の計画
東街道域については、地域に残る文化・歴史遺産を活かした活動を継続的に進めたいと考えている。
活動の原点・宇野港域については、海を隔てた高松や県北のアーティストなどを加え、より広域の連携によるアート活動を進めたいと考えている。
又、今年から取組みを始める西街道域の活動については、玉野市西部の古い潮待ちの港・日比地区において、終戦の前年に失われた「船歌まつり」という楽しい祭があったと聞いている。芸術フェスタ2012では、できれば日比・渋川まちづくり講座生とともに、その再興を目指したいと考えている。絶滅したと考えられる「船歌」の曲を探し、可能な限り復活を試みたいと願っている。
アートシティ玉野への道については、地域住民との連携によって芽生えたネットワークを活かし、玉野の歴史・文化と融合したアート活動を根付かせ、玉野市東部・中央・西部の各地区まちづくり団体等の独自活動と連携する形で進めたいと考えている。調達できる資金も多くは望めないことから、各地区イベントは、持ちまわり制で行うような進め方も検討する必要があると考えている。

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